舘祐司の気ままなブログ

カテゴリ: 映画

映画「エルヴィス」を見ました。
0E223E14-7B3F-4440-ACA0-5A8449A4635E

エルヴィス・プレスリーといえば、アメリカを代表するロックシンガーであり、「キング・オブ・ロックンロール」 と称され、ソロアーティストとしては最もレコードをセールスしたことで有名です。
06AEA255-267E-4609-8A14-1AC1FCA4640C

彼が頭角を現したのは、1954年「ザッツ・オールライト・ママ」 メンフィスのローカルラジオ局が流したことから、ヒットにつながったと言われています。歌っているのは黒人かと誰もが思っていたら、実は白人だったということで、その意外性にピンときた人物がパーカー大佐でした。実際のプレスリーのライブを見て、新しい音楽スタイルを感じたパーカー大佐はすぐに彼の両親の元に行き専属契約を結びます。
3BD40917-D854-4E0C-9599-4D2A5473764A

アメリカ全土に売り出す為には、大手レコード会社でないとダメだと考えたパーカー大佐は、すぐにサン・レコードからRCAビクターへ移籍させます。それが1955年のことで、そこから快進撃が始まったといえます。腰をくねらせて歌う独特のスタイルは女性のハートを釘付けにする破壊力がありました。
F481819F-ABC6-49AC-98E0-09193092340F

テレビのオファーもあり、国民的なバラエティー番組に出演したプレスリーですが、保守的なスポンサーなどからは、彼のスタイルに批判的な意見もあり、パーカー大佐はその間で苦慮したようでした。
F7875FAD-8DCC-402B-8A90-BB45682CA60C

1958年から1960年は徴兵命令が下り、西ドイツの部隊に配属されました。 
その後除隊し、戻ってからは映画出演が待っていました。これは彼がジェームス・ディーン に憧れており、自分もいつか彼のような銀幕のスターになりたいという思いがあったのです。ただし、悪徳マネージャーのパーカー大佐が一気に10本もの出演契約を結んでしまったことから、駄作、凡作と酷評されました。
34C14489-8B58-4843-932B-5F96DC619AEA

一方音楽活動の方は、62年の「好きにならずにいられない」までは好調だったのですが、それ以降は低迷します。若手のビートルズが台頭したことも大きな要因と考えられますが、映画の量産もマイナスに働いたと言われています。

そんな中、1967年には10歳年の離れたプリシラと結婚します。翌年には愛娘リサ・マリーも誕生し、順風満帆に見えましたが、プレスリーとの距離が少しずつ離れていきついには、7年後には破局してしまいます。
73732128-F274-4489-AD3A-6B71A9900425

1968年のテレビ出演をきっかけに復活します。翌年からは過密スケジュールで再び多忙を極めることになります。
しかし、年125回ものハイペースでライブを行ったことで、身体はボロボロになっていきました。

1975年頃からストレスからくる過食症になり、体重は激増します。そして1977年メンフィスの自宅で亡くなられたました。42歳という若さでした。

エルヴィス・プレスリーというおそらく不世出の大スターも激動の人生だったことがこの映画を通してわかりました。僕が洋楽に目覚めたのが1970年ですから、プレスリーの晩年時代しかリアルには知りません。当時「エルヴィス・オン・ステージ」という映画がヒットしていたことは記憶にあります。彼の突出した人気を考えると50年代のエルヴィス、60年代のビートルズ、80年代のマイケル・ジャクソンというような例えになるのでしょうか。
EE118541-CAF8-4582-B62E-EF15D3E32FA0

主演のオースティン・バトラーは本当によく似ていました、特に晩年のふっくらした顔はプレスリーが憑依したのではないかというくらいでした。しかし、「ボヘミアン・ラプソディー」にしろ、「ロケットマン」にしろ、主演されて俳優さんたちは皆素晴らしいですね。
また、パーカー大佐を演じたトム・ハンクスも流石の演技だということを付け加えておきます。

 

以前このブログでも取り上げたことのある漫画「キングダム」が実写化された映画です。
2019年に封切りされこの年の興行収入が1位となった作品です。
D59D92FE-7BC2-4BA2-9F8B-88694BB471BC

原作の1〜5巻までの部分が描かれており、主人公の信が友人であった漂との別れ、秦王・嬴政(えいせい)と出会いから、大将軍を志し成長していく中で様々な体験をしていきます。

主に嬴政の弟、成蟜(せいきょう)が起こした反乱軍との戦いが描かれています。

この漫画は非常にスケールが大きくて、実写化はかなり至難の技ではないかと思いましたが、そんな杞憂はすぐに吹っ飛びます。1対1で戦う時の殺陣の凄まじさは迫力満点で、本当に役者の方々は相当な稽古を積まれて臨んでおられると推測されます。中でも光るのが主役の山崎賢人さん、まあアクションがハンパない、並みの運動神経ではないような素早い動きで驚きました。そして、漫画の信によく似ています。4D5EA9E9-AB8E-415B-8500-69774DDE97D2
段々と信に見えてくるから面白いですね。似ているといえば大沢たかおさん扮する大将軍「王騎」 、漫画では圧倒的な個性でインパクトのあるキャラですからどんな風になるのかと思えば、こちらもまた凄い。この役を演じるために筋肉を増強したと聞きます。
807BF8F6-9788-4DF3-9895-8A3D63EEC17E
他にも嬴政役の吉沢亮さん。
F52317DC-8FDF-4AB7-B224-4560EECF87BA
河了貂(
かりょうてん)役の橋本環奈さんなどなど、原作のイメージをかなり意識された起用となっています。
BE31B3E5-F713-48FB-8437-F71379031CB3
璧役の満島真之介さん
5BA3A867-FC18-4AB4-85B9-4FD2E8BC33A3
成蟜役の北郷奏多さん
0706CE79-223F-452D-B245-D2D146B5BE73

山の民、楊端和(ようたんわ)役の長澤まさみさんもかっこよかったです。
307402D8-673B-4F3A-9224-F99F0529AA9A

そもそもこの作品を作られた原泰久さんの原作がすごいです。ある程度史実に基づかれ、それにオリジナル性をうまくはめ込み、上っ面ではない深いストーリーとなっています。
また、それぞれのキャラクターが良くできていて、特に感心させられるのは多くの大将軍たちです。皆、魅力溢れるキャラに設定されていて、「えー?ここでやられてしまうのか」と、敵味方関係なく心動かされます。 
麃公(ひょうこう)将軍もその1人で、野性味溢れる戦いぶりや圧倒的な破壊力が凄まじく、武将としての生き様がカッコいいです。信の初陣である対魏戦でその実力を発揮しました。とにかく戦が好きで闘争心むき出しの麃公将軍にはあの王騎将軍も一目置いていたほどです。
0B9A32E9-8D21-43DD-B642-432A05327BBE

2作目の「キングダムⅡ」ではこの作品になくてなならないキャラ
羌瘣(きょうかい)も登場します。さらに面白くなります。

映画を見るともう一度アニメを見たくなるのは僕だけでしょうか?

現在3作目の「キングダム 運命の炎」が公開中です。早く見たいなあ。


 

映画「告白」を見ました。
この映画は湊かなえさんの同名小説を映画化したもので、松たか子さん主演で2010年に封切られ興行的には成功を収めています。
D2F4B23B-EDC5-4D8F-9638-5C5C3516BFBA

ある中学校で終業式を終え、クラス担任である森口悠子先生が生徒の前で、「今日でこの学校を去ることになりました」と切り出します。そして、プールで事故死とされた愛娘の事件について、あれは事故死ではなく殺されたのだと告げます。さらに「その犯人はこのクラスの生徒です」少年Aと少年Bという匿名で話を続けますが、クラス全員がその2人が誰かすぐにわかります。
そして、自分の夫となるはずだった相手がエイズであることを告白し、少年AとBが今飲んだ牛乳にそのエイズウィルスの血を入れたと言います。この事件はもう解決済みであることから蒸し返すつもりはないということ、また犯人だという事が分かったとしても少年法により守られていることから、刑罰は重くないということで、2人には命の大切さを分かってもらえるように考えたと宣告します。
ここから2人の人生が少しずつ狂い始めます。そしてクラスの中でも異変が現れ、Aはいじめを受け、Bは不登校になります。 しかし、狂い出したのは2人だけではなかったのでした。

冒頭からショッキングな話で次々と展開していきます。
物語は森口悠子先生、少年A、少年B、少年Bの母、そして少年Aに好意を寄せるクラスメイトの美月、それぞれの視点から語られていきます。

ミステリックなストーリーで、非常に見るものの興味をそそります。
映画は非常に面白く見る事ができました。とてもいい映画だと思います。

人を殺めるシーンが出てきますが、命の大切さを訴えているのかどうかはよくわかりませんでした。もちろん映画だからと言ってしまえばそれまでですが、やや軽く扱われているような印象を受けました。

全体的にテンポよく進んでいくのですが、最後の方で少年Aが仕掛けた爆弾が破裂するシーンは少し長く感じました。そこまでのテンポが良かっただけに少し残念に思います。


 

映画「ザ・ウォーク」を見ました。もちろん自宅でです。(笑)
165903_02

この映画は2015年に公開されたアメリカ映画で、監督はロバート・ゼメキスです。
4f8173ae78f5d9c503294ed2b55992076b06b8b61418944654

1974年にワールドトレードセンターの2棟の間にワイヤーロープを張り、そこを綱渡りして世界を驚かせたフランスの大道芸人フィリップ・プティの伝記映画です。

フランスで大道芸人をしていたフィリップはある時、新聞の記事でワールドトレードセンターというとてつもない高いビルの存在を知り、一瞬で心を奪われます。それは彼が綱渡りを生業としていたことからいつのころからか誰もやったことのないことにチャレンジしたいという野望を持っていたのです。

たまたま出会ったアニーに一目ぼれし、自分の夢を語り最初の共犯者とします。
160121_walk_2

専属カメラマンのジャン・ルイなど次々に仲間を増やしながら、綿密に計画を立てアメリカに移り時間をかけて現場を調査していきます。そしていよいよ決行の日がやってきます。・・・

ツインタワーの高さは屋上で417m、タワーとタワーの間の40数メートルの間にかけた細いワイヤーロープの上を命綱なしで渡るというクレージーな企画なのです。よくこんなこと思いついたものだと思います。そして本当に実行しようということもばかげています。
200px-Y24-Wtc-september-5

これは実際にあった出来事をもとに作られているだけに、最後の綱渡りのシーンはもうハラハラドキドキで心臓が爆発しそうになりました。映画とはいえ迫力があります。
thewalk_1_large

20160131-thewalk-main-950x395

実際の写真がネットにありました。
unnamed1
4-13
3-17-500x297
映画の中でも寝そべるシーンが出てきます。
maxresdefault

もちろんこの行為は違法なことなので、最後は警察に保護されます。
unnamed

こんな風に撮影されていたのですね。
The-Walk7

1974年といえばぼくは16歳くらいのころですが、こんな大事件があったとは知りませんでした。しかし、なんでこんなとんでもないことを考えたのか不思議でなりません。そして、それに加担する人たちが何人もいたとは・・それもまた不思議なことです。そんな不思議な巡り会わせで出会った「共犯者」がいたからこそこの世紀の偉業は達成できたのです。
主演を務めたゴードン=レヴィットは綱渡りの経験がなかったため、プティ本人のもと猛特訓を行ったそうです。その結果わずか8日目に補助なしで綱の上を歩けるまでになったそうです。役者魂ですね。
thewalk

文句なく楽しめる映画です。
この映画のことは何も知らなかったので、まったく期待せずに見たこともよかったのか、大満足できました。
ただし見終わった後、ちょっと疲れが出ます。手に汗握る緊張感が続くためでしょうか。(笑)


映画「ジュディ 虹の彼方に」を見ました。
judy_img

この映画はかつてのハリウッドの大女優ジュディ・ガーランドの主に晩年の苦悩を描いたものです。
100_UPC00600753904978

ジュディ・ガーランドは1969年に亡くなっておられ、僕は当時11歳の頃です。当然リアルタイムではほとんど知りません。名前だけは知っているという程度です。

ですので映画を見る前に少しだけ、彼女のことを調べ予習してから、映画館へと向かいました。
子役で出演した映画「オズの魔法使い」 が大ヒットし、一躍有名になったこと。
結婚を5回していること。
ジュディの娘がライザ・ミネリだということ。(もちろんライザ・ミネリはリアルタイムで知っています) 
若い頃から無理なダイエットを強いられていたこと。
薬物依存症だったことから、遅刻や無断欠勤などを繰り返し映画会社から契約破棄されたこと。
などなど。

実に、波乱万丈な人生を送られています。
46845

金遣いが荒かったせいで、晩年は泊まる場所にも苦労するくらいに落ちぶれていました。この映画ではその頃から、ロンドン公演が決まり、当時の恋人と5度目の結婚をするあたりに焦点を当てられています。
460054
アメリカでは、泊まるホテルにも四苦八苦している状況でした。しかし、そんな中、ロンドン公演の話が舞い込み、子供をアメリカに残していくことに後ろ髪をひかれつつも行く決断をします。それは2人の子供と3人で暮らす家を建てるという夢があったからです。
リハーサルもろくに行わずに臨んだロンドン公演の初日、ボロボロだった状態から、ステージに立ち歌いだすとジュディの歌唱力に満員の観客が酔いしれます。一夜にして昔の栄光がよみがえり、見事に復活するのでした。
ジュディre
そして5度目の結婚相手ミッキーがロンドンまで訪ねてくるのです。ミッキーは大きなビジネスをジュディに準備していたのですが・・・。
1385785_650

ロンドンに行くことで、大好きな子供と離れ離れにならなければいけません。子供を溺愛していたジュディはその悲しさや自分自身の過去の忌まわしい思い出などと葛藤の日々があり、次第に薬に頼るようになります。するとうまくいっていた公演も客とのトラブルから中断を余儀なくされてしまうのです。
a6g

そんな中、自分のファンだという男性2人と出逢い、その男性から元気をもらい立ち直ろうとするのですが・・・。
1384829_650

この映画は、正直なところそれほど期待していなかったということもありますが、見事に裏切られました。とてもいい映画でした。
20191106-judy_full

特に、主演のレネー・ゼルウィガーは、歌唱シーンも本職の歌手の吹き替えなしで撮影したそうで、圧巻の歌唱力と本物のジュディが憑依したかのごとく素晴らしい演技でした。

大スターの栄光の陰に隠れた心の暗闇が表現された映画でした。
 

このページのトップヘ