舘祐司の気ままなブログ

カテゴリ: 葬儀

一昨日の7月29日のことです。昔からの友人のM君から電話が入りました。何年かぶりのコールなので何か不吉な予感がしました。「やあ、久しぶり。どうした?」と聞くと少し暗い声で「今朝、Nが亡くなった」N君は若い頃毎日のようにつるんでいた友達です。入院していると聞いていたもののまさか60代半ばで亡くなるとは思ってもみませんでした。心がどーんと深く沈んでいくような重たい気持ちになりました。「そうか・・」通夜葬儀に関してわかり次第連絡もらうということで一旦切りました。

N君とは高校1年からの付き合いになります。僕と同じ中学校で友人のS君が小牧工業高校に入学し、その高校でN君と友達になり知り合うことになりました。高校を卒業して、社会人になってからよく遊ぶようになり、酒を飲みに行ったり、20歳からは一緒にサーフィンに行ったり結婚するまでの数年間はほとんど毎日のようにつるんでいました。

N君は明るい性格で、なぜかいつも話題の中心にいたような気がします。人をいじって周りを笑わせるのが得意だったかな。僕もよくいじられました。仲間内ではいじりいじられみんなで大いに笑うっていうのがいつもの日常でした。
彼は酒が強かったですね。仲間の中では多分僕が一番弱かったので、彼を含め他の仲間にも迷惑をかけてましたね。ホントあの頃は申し訳なかったです。

僕が仕事の関係で浜松に長期出張に行っていた時のことです。サーフィンをするために海で彼と待ち合わせをした記憶があります。僕は浜松から彼は名古屋から出発して、渥美半島の太平洋側の浜、サーフィンをする場所のことをポイントと呼んでましたが、ある特定のポイントで早朝落ち合い海に入ったことがあります。当時は携帯電話などなく、宿泊している宿から彼の家に電話して約束したことを覚えています。

そして連絡が入り、尾張旭のある斎場で安置され7月30日の夜なら顔を見ることができるとのことでした。友人のI君と待ち合わせて斎場に向かい、午後7時頃に着きました。安置されている部屋に行くと、息子さんと妹さんが付き添っておられ、一言挨拶をして遺体に手を合わせ焼香させてもらいました。「おい、まだ早すぎるぞ」心の中でそう呟きました。棺の中の彼を見ると、全く面影はなくまるで別人のようでした。髪の毛は黒くフサフサとしているのですが、実年齢より10歳は老けて見えました。聞けば闘病生活を5年過ごしていたとのこと。長きに渡っての病気との戦いで身も心も疲れ果てていたのかもしれません。
少し短い人生でしたが、かれは彼なりに一生懸命生きて、人生を謳歌したと思います。好きな酒を思いっきり食らって、サーフィンをこよなく愛し、年を重ねるごとに次々にやめていく中、最後の最後まで辞めなかったN君。凄いよ。
天国に行ってもパドリングしてるんじゃないかな。
俺たちもいずれそっちに行くから、その時は一緒に波に乗ろうぜ。

君のおかげで、しばらく会ってなかった友人たちと会え、久しぶりに話すことができてとても有意義な時間を過ごすことができました。

君と出会えて良かった、楽しかったよ、本当にありがとう。
安らかに眠ってください。
 

鹿児島市で平安祭典として6軒目となる新しい葬祭会館が中山(ちゅうざん)にオープンします。

オープン前に訪問してまいりましたので、皆様に情報をお届けしたいと思います。
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外観はこんな感じで、1階の車寄せは出棺時に雨の日でも濡れないように工夫されています。 
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式場です。広すぎず狭すぎずちょうどいい広さだと思います。
まだ祭壇や椅子が収まる前ですので少し広く感じるかもしれません。
スクリーンで故人の在りし日のお姿を懐かしみながら最後のお別れとなります。
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ご遺族が一晩過ごしていただくスペースです。和風の設えで落ち着いた雰囲気です。
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お風呂も十分に広いです。
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このスペースがこの式場の最大の特長だと思いますが、キッズ専用のお部屋が用意されています。
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仕事柄いろんな式場を拝見しますが、このような部屋は平安祭典さんしか見たことはありません。小さな子供さんにとって長時間じっとしていることはとても苦痛でしょう。でもこんなふうに自由に遊べる部屋があったら、大人たちも安心して弔問のお客さまをお迎えすることができます。

非常にいいアイデアですね。この発想はキッズランドといって、子供さん専用の遊べるスペースを展開されているユウベルさんだからこそ、生まれたのだと思います。

僕も10年以上前に父の葬儀で喪主を務めました。その際に感じたことは、一晩過ごす親族の控え室は重要だということです。一般的なビジネスホテルと同じようなサービスが受けられたらいいと思いました。
今時ならフリーwifi でインターネットに接続ができると大変便利だと思います。喪主を務める方の大半は会社員などお仕事をされています。メールを確認したりネット環境が整っていれば式場にいながらある程度できる仕事だってあるでしょう。何日か休む訳ですから、仕事のことが気にならない訳がありません。
また、葬儀告別式と慣れないことが続き結構疲れます、少しでも癒される時間があるといいですね。
この式場はそんな癒しの空間になる気がします。

近日中にオープン見学会が開催されるとのことです。

 

5月11日までに日本で新型コロナウィルスが原因でお亡くなりになられた方が650人を超えています。
志村けんさんや岡江久美子さんらの報道にもありましたように、遺族は故人とお別れの対面をすることができません。皆さん、お顔を見ることなくお別れするしかありませんでした。
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しかし、ある技術を使うことで対面することが可能になったということです。
その技術とは「エンバーミング」です。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが葬儀業界ではかなり以前からある技術です。「エンバーミング」とはご遺体を消毒や保存処理、修復を行うことで長期保存を可能する技法のことです。人の肉体は死後、腐敗が進みます。そのような腐敗を遅延させ、損傷部位を修復することで葬送まで外観や衛生を保つのがエンバーミングの役割だとされています。
1960年代アメリカで急速に広まったといわれており、アメリカやカナダでは一般的な遺体の処理方法とされています。キリスト教では19世紀ごろまで火葬を禁止してきた歴史があり、それが関係しているのかもしれません。しかし、20世紀に入り「火葬は教義に反しない」と判断されるようになり、近年では火葬が拡大しているようです。
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このサービスを提供しているのは東京都の燈台舎さんです。
エンバーミングの技術を応用することで、火葬前に遺族が故人との対面が可能になったということです。
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具体的には防護服を着用したスタッフが薬品の濃度を濃くして施術し、全国で対応可能だということです。
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このウィルスの特長として、容体が急変し少し前まで元気だったのに突如お別れしなくてはならなくなるケースがあると聞きます。遺族はあまりのスピードに呆然とするしかなく、挙句に最後のお別れもままならないというつらい宣告を受け入れるしかないという状況だと聞きます。命が戻ることはありませんが、最後に対面できるというのは、遺族にとってはせめてもの救いになるのではないかと思います。
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15日にこの件でブログを書いたところ、多くの皆さまからアクセスをいただき、皆さまの関心が高いことがわかりました。
この件でまず訂正したいことがあります、それは「グレーゾーン遺体」という言葉についてです。この言葉はどうやら報道したNHKによって作られたものだということがわかりました。この放送は業界の中からもいろんなご意見が出ており、以後使わないようにいたします。

放送をよく見るとわかるのですが、葬儀社の方も「グレーゾーンの肺炎でお亡くなりでいらっしゃる故人様の対応をどうするのか」という言い方をされており、「グレーゾーン」は肺炎に対して使われておりご遺体のことをさしてはいませんでした。そして故人の尊厳やご遺族の心情などを考えた時に、業者の対応が非常に難しいということをおっしゃっていました。

簡単に言えば、ご遺族の立場に立って考えた時、家族の遺体に対して「グレーゾーン〇〇」と言われたら、どう思いますか?ということです。NHKはわかりやすくそのような言葉で報道したのかもしれませんが、もう少し慎重に言葉を選んだ方がいいように思います。

業界の方で、この放送に対していろんな思いを述べておられる方がみえました。その方によると、コロナウィルスが疑わしいご遺体をそのまま葬儀社にゆだねるのは、病院側の問題であるとのことでした。そんな無責任なことはなく、どちらかはっきりして渡すべきだということです。そしてご遺体に対し、「グレー」とか「ブラック」とか言うこと自体が失礼だとの見解でした。

ご遺体が感染症だった場合には扱いがまったく変わることになります。対応する者は防護服に身を包み、火葬場に直接向かうことになります。一方、陽性のご遺体を認識の無いまま扱った場合は、業者だけでなくご遺族の方々にも感染が広がる可能性があります。
やはり疑わしい場合は、検査をし結果が出るまで搬送しないというような取り決めが必要になってくると思います。そうでないと外出自粛をしていても、別なところから感染が止められなくなります。

また、恐ろしいのは、死因が肺炎であればまだ検査しようということになりますが、そのほかの死因だった場合です。今朝のニュースで別の病気で病院に入った患者さんの6%がコロナの陽性だったというデータが示されたとのことでした。感染経路が不明の陽性患者が増える中、やはり検査の重要性がクローズアップされるように思います。

変死体が実は陽性だったという事例が全国で11件あったという報道もありました。
今は、感染者数に焦点が当たり何とか拡散を防ごうという話題が多いですが、今後は死亡された方を取り巻く諸問題に注目が集まるかもしれません。

関連記事
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20200422/5010007674.html




新型コロナウィルスは相変わらず拡散が続いています。我々はとにかく人との接触を避け、手洗いを心掛け三密にならぬよう注意することです。

さて、今葬儀業界で「グレーゾーン遺体」の問題が深刻になっているそうです。
「グレーゾーン遺体」とはPCR検査を受ける前に肺炎で亡くなった人の遺体のことを言います。
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連絡を受けた業者は病院にご遺体を引き取りに行くわけですが、その際に病院側からコロナ感染の可能性を告げられた場合どのように対処すればいいのか。疑いがあるだけでPCR検査を受けていないため、陰性の可能性もある訳です。
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感染者が亡くなった場合は、特殊な方法をとらなければならないそうです。
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故人が陽性の方は納体袋に遺体を収め、葬儀などは執り行わずに直接火葬場に運びます。
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遺体を搬送する葬儀業者のスタッフは防護服を着るなど感染対策を徹底し業務にあたることになります。先日の志村けんさんの時もご遺族はご遺体を見ることなく火葬されたということでした。

ある式場ではアルコール消毒やウィルス除去の噴霧器を使用するなど感染防止に努めています。
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また、参列者の席の間隔をあけ、参列の時間を分けるなどしているそうです。
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しかし、ここまで対策をしても無防備な状態で「グレーゾーン遺体」を受け入れてしまえば、対策の意味がなくなってしまうと言います。
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対策を検討した結果、病院や保健所に相談しPCR検査を行ったうえで遺体を搬送をするよう要請したということです。
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ご遺体の尊厳やご遺族の心情に配慮して、精一杯のお見送りをしたい気持ちがある一方で絶対に感染してはいけないという気持ちもあり、ものすごい葛藤で悩まされているということでした。

新型コロナウィルスに感染しているのか否か、「グレーゾーン遺体」を受け入れる葬儀業者の方は非常に難しい対処が要求されるデリケートな問題です。
感染源にならぬよう細心の注意が必要となり、そのストレスも医療スタッフと同様にかなり高いものだと思われます。
さらに葬儀会館に出入りする関係者も、同様に細心の注意が必要だと思います。私たちはそのような理解をすることが大切です。

マスクや手袋を着用する、人との距離をとる、うがい手洗いする、換気するなど徹底して感染リスクを抑えないといけません。今しばらくが正念場です。現場への訪問など人の動きもできうる限り最小限にとどめることを皆で共有し理解しあうことが大切だと思います。

※月刊フューネラルビジネスのFacebookより引用しました。


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