舘祐司の気ままなブログ

カテゴリ: スポーツ

さて、昨日オーストラリアにてFIFA女子ワールドカップ2023の準々決勝、日本対スウェーデン戦が行われました。結果は1-2で日本の敗退となりました。敗れはしましたが、日本は特に後半は押しに押していい戦いを見せてくれました。本当にあと一歩というところまで、スウェーデンを追い詰めたと思います。また、不運が重なったという印象もありました。
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試合を振り返ります。
前半25分まで、両チーム共にシュート0本と互いに固い守りを見せました。
28分、宮澤選手から右のスペースに走り込んだ清水選手にパス、そのままペナルティエリア内へ持ち込み、クロスを上げますが合わずにシュートまで行きません。
32分、スウェーデンは日本のエリアでフリーキックのチャンス、キーパーがパンチングしたボールがゴール前で混戦となり、スウェーデン選手の前にきたボールをシュートし、先制点となりました。あの近距離から撃たれては、キーパーは止めようがありません。
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前半を終えて、結局日本はシュート0で終わります。スウェーデンはボールを持った日本選手に、2人3人で囲み早いプレスで日本のパス攻撃を防いでいました。日本はほとんど攻撃をさせてもらえませんでした。

スウェーデンの1点リードで後半が始まり、頭から日本は杉田選手を遠藤選手に選手交代をします。 
6分、スウェーデンのコーナーキックからのボールがゴール前で混戦となり、長野選手の腕にボールが当たってしまいます。
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これは故意ではないのですが、審判の判断はペナルティキックでした。運が悪いとしか言いようがないプレイです。これで0-2となり、俄然スウェーデンが有利な展開になります。
こうなると攻めるしかなくなった日本は、田中美南選手に代えて植木理子選手を投入、日本の国内リーグの得点王に輝いたストライカーです。 
徐々に日本の攻撃が目立つようになり、29分、 ドリブルでペナルティエリアに持ち込んだ植木選手が倒され、PKをもらいます。キッカーは植木選手、しかしキーパー頭上のゴールバーに当たり、再度自分のところに来たボールをヘディングシュートするもこれも外れノーゴール、一瞬入ったかと思うくらい惜しいシーンでした。
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35分に宮澤選手から清家選手、長野選手を林選手に選手交代して、攻撃を強めます。そして42分、PA手前でフリーキックを獲得し、藤野選手が直接シュートしますが、これまたクロスバーに弾かれてしまいます。先ほどの植木選手のPKと同様に、クロスバーに当たって真下に跳ね返ったのですがわずかにゴールラインを越えることができませんでした。もうあと数センチのところでスウェーデンは助かりました。
しかし、42分、相手ゴール前で遠藤選手からのパスを清家選手が中央に送り相手選手に当たってこばれたボールを林選手がシュートし、ようやく1点を返すことができました。
ここからは、スウェーデン選手は疲れからか、動きが鈍くなり、日本の攻撃が止まらなくなります。 
アディショナルタイムは10分、1点取るには十分な時間です。
日本はDF高橋選手を浜野選手に代えて攻撃に厚みを加えます。最後の10分間日本は攻めに攻め、スウェーデンは必死でよく守りました。結局、点を取ることができず、そのまま1-2で終了のホイッスルが鳴ります。
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この最後の攻撃は見応えがありました。本当にもうあと一歩という感じがしました。まあ、そのもう一歩が世界トップとの差だと言ってしまえばその通りなんですが、世界ランキング3位のスウェーデンを苦しめたことは誰の目から見てもわかります。
長野選手のハンドは偶然が生んだPKですし、植木選手のPKもあと数センチ下ならゴールしていたという非常に惜しいシュートでした。藤野選手のフリーキックもまた然りです。互角とは言いませんが、かなりいい試合をして世界トップチームとの差はほとんどないように思いました。
当初から言われていたフィジカルの強さや身長の高さなど、日本にとっては体格面で不利な材料が多い中、よく健闘したのではないかと思いますが、前半完全に封じられたのは、スウェーデン選手のレベルの高さを思い知らされたことも事実です。

W杯はまた4年後になりますが、次回が楽しみになりました。その前にオリンピックもありますね。なでしこ、今後も大いに期待できる戦いを見せてくれたことに感謝したいと思います。

 

2023FIFA女子ワールドカップが現在オーストラリア、ニュージーランドで行われています。
我がなでしこジャパンはグループステージを3戦全勝と圧倒的な強さで勝ち上がりました。強豪スペイン戦ではボール支配率を取られながらも4-0の完勝でした。11得点し失点0という1チームだけ次元が違うかのような戦いぶりでした。
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そしてノックアウトステージに進み、ここからは負けたら即敗退となります。その初戦の相手はノルウェーでした。FIFAランキング日本は11位、ノルウェーは12位とほぼ互角の位置にいます。前半相手のオウンゴールで先手を取りますが、わずかその5分後にはサイドからのボールに頭で合わされすぐに同点に追いつかれます。
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この展開は少し嫌な感じがしました。そして後半、ボールポゼッションでは日本が優位に進め、清水選手がタイミングよくゴール前に切り込みゴールして勝ち越します。
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こうなるとノルウェーは追いつかなくてはならず、前がかりになってきます。時間がなくなってきた後半36分、カウンターから藤野選手から絶妙なスルーパスが出されそれに反応した宮澤選手が相手DFを置き去りにし、見事ゴールを決めてくれました。
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これで宮澤選手は今大会5ゴール目と得点ランキングトップです。そのまま守り勝利したのです。
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今大会は強豪チームが次々に敗退するという言わば下克上の大会になっています。
なんといっても1位のアメリカが破れた事が衝撃でした。以下ベスト10の中で敗退したチームです。ドイツ(2位)スペイン(6位)カナダ(7位)ブラジル(8位)。

そのアメリカをPK戦で破り勝ち上がったのがスウェーデンです。スウェーデンは今残っているチームの中で最も上位のランキング3位のチームです。日本にとっては大きな正念場となります。しかし、もしこの試合に勝つ事ができれば、優勝の可能性が大きく出てくるように思います。

勝てばおそらく次戦はグループステージで勝ったスペイン、もちろん侮ってはいけませんが、気分的には少し楽です。ここも突破できれば、決勝はフランスかイングランドの勝ち上がりチームになると予想します。ただこの大会は予想外のことが起こっていますので、何があるかわかりません。オーストラリアは地元の大声援を受け戦いやすいでしょう、コロンビアは26位と少し下位ですが勢いがつくとやばいです。

さてスウェーデン戦の開始まであと2時間たらず。
頼むぞー、なでしこ!まずは前半互角のスコアでいってくれー。
 

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さる7月25日に行われました、WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチにて、井上尚弥が2団体統一王者のスティーブン・フルトンに8ラウンドTKO勝ちし見事ベルトを奪取しました。
これで4階級制覇を果たしたことになります。全世界に改めて井上尚弥の“モンスター”ぶりを見せつけたのです。
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試合前には、フルトン陣営からチビ呼ばわりされたり、拳に巻くバンテージについていちゃもんをつけられたりと揺さぶりをかけられていましたが、試合が始まればそんなことは全く問題なく、ほぼこの試合を支配して進めていたのはさすがと言うほかありません。
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序盤から互いに高いレベルの攻防で、まるで機械のような動きが続きます。そのスピード感は人の腕というより、真剣のような緊迫感で一瞬たりとも気を抜くことが許されないような空気に包まれていました。
とは言っても、井上は1ラウンドから、左のジャブストレートをフルトンのボディに突き刺し、それを警戒してガードが下がると見るや同じモーションから顔面に打ち分ける緻密なボクシングを展開し、2、3ラウンドと井上尚弥がポイントを取っていたように見えました。フルトンは相手の出方を伺っているのか、手数も少なめで、緊張してやや硬くなっているようにも感じました。徐々に井上がペースを握っていきます。
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序盤、フルトンはスタンスを前後に通常よりもワイドに開き、井上に踏み込みしにくい状況を作る作戦だったのでしょう。しかし、井上は時々前足のつま先をフルトンに踏まれながらも、うまくかわし的確にパンチを当てていきます。これでは拉致があかないと、4ラウンド以降からはスタンスをいつも通りに戻し、少しずつ手数を増やし井上に圧をかけようとしますが、フルトンのパンチは井上に届かず、そして空を切りなかなか捉えることができません。井上は強烈な右フックなどを浴びせ、フルトンのガードの上からでも徐々に効いていきます。フルトンは鼻血が出始めます。
6ラウンドまでおそらく井上がポイントを取っていたように見えました。しかし、7ラウンドに入り、あとがなくなったフルトンは積極的に攻撃を仕掛けてきます。しかし、この行動が大きく試合を動かしていきます。
井上は早いラウンドでポイントを重ねていきました、これはフルトンの攻撃を誘う作戦だったと言います。これまで25勝のうち、22KOと圧倒的に高いKO率を誇る井上は、やはりこの試合もKO勝ちを狙っていたのです。
フルトンの得意技はディフェンスだということは誰もが知っている事実です。ですので、足で相手の攻撃をかわしクリンチでパンチを打たせないようにしつつ、隙をついてパンチを打ってくる作戦だろうと予想されていました。この予想は外れ、フルトンは逃げずに戦っていましたが、とにかく射程距離に置かないと流石の井上もパンチを当てることができません。実際この試合も、パンチはそこそこ当てていたものの大きなダメージを与えるまでの攻撃はできませんでした。そこで、フルトンに攻撃させるための餌を巻いていたようです。7ラウンド目で井上はあえてフルトンに攻撃をさせ、その気にさせることが目的だったと言います。見てるこちら側としてはそんなことは分からず、ちょっとヒヤヒヤしましたですね。

そして運命の8ラウンドを迎えます。左ボディストレートからの右ストレートが見事タイミングよくフルトンの顔面を捉え、バランスを崩したところに左フックをクリーンヒットさせ、最初のダウンを奪います。
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なんとか立ち上がりますが、そこからはラッシュでもうフルトンに反撃する力は残っていなかったようでした。
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重い階級にあげ、身体的にも一回り大きい相手に対し、どんなボクシングを展開するのだろうかと、世界中のボクシングファンが見守る中、終わってみれば今までよく見てきた光景、つまりノックアウトで相手をマットに沈める、ボクシングにおいてファンが一番望む結果で答えてくれます。何というボクサーなんでしょう。今回は挑戦者という立場で、相手は21戦負けた事がない最強のボクサーです。
井上は苦戦を強いられるだろうと予想する声が多かったですが、その予想は大きく裏切られました。
一体どこまで強くなるのか、今後の井上尚弥選手から目が離せません。
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3月22日アメリカのマイアミにあります、ローンデポ・パークにて2023WBCの決勝戦、日本対アメリカの試合が行われ、日本は昨日に続き逆転で3勝利し優勝しました。
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9回表アメリカの攻撃、二死走者なしからバッターはマイク・トラウト選手、マウンドにはこの回から登板した大谷選手、3ボール2ストライクから投げた、空振り三振!!ヤッター!!
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この瞬間拳を握りしめ思わずガッツポーズをしてしまいました。いやあ、感動の瞬間です。
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大谷選手はグローブも帽子も放り投げて喜びを爆発させていました。
本当に侍ジャパンは強かった。全勝でチャンピオンに輝きました。
アメリカチームも今回最強と呼び声が高かっただけに、勝ち負けは五分五分ではないかと予想していました。正直なところ、第1回、第2回大会で日本が優勝していますが、この時代はアメリカは本気のメンバーで臨んでいませんでした。理由はいろいろあると思いますが、一線級のメンバーでなくても勝てるだろうとタカをくくっていたように思いました。しかし実際には日本が優勝したためにその後、考えが変わったように思います。 ですから今回のこの勝利は、今まで以上に価値が高い勝利だと思います。

3-2というロースコアで思った以上に、点が入りませんでした。つまりは日本の投手力がアメリカの強力打線を抑え込んだと言えます。このような展開になれば日本が有利な状況なのでしょう。もしも打ち合いになったら、アメリカのペースになっていた可能性があります。先発今永〜戸郷〜高橋宏斗〜伊藤〜大勢〜ダルビッシュ〜大谷翔平と計7人の投手でアメリカ打線をほぼ封じ込めた結果になりました。

2回表にアメリカはターナー選手のソロホームランで先制しますが、その裏すぐに村上選手がソロホームランを放ち同点とします。このホームランは打った瞬間にそれとわかる完璧な当たりでした。昨日のサヨナラツーベースヒットで眠れる獅子がようやく起きたようです。
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点を取った後すぐに追いつかれる展開はアメリカとしては嫌な気持ちだったと思います。 日本は同点とした後もさらに攻撃し、一死満塁からヌートバー選手の1塁ゴロの間に1点とり逆転に成功します。ヒットでなく点が入るのは守っている側にとって非常にプレッシャーになります。

そして3回表のアメリカの攻撃から、日本は今永投手から戸郷投手にスイッチしますが、四球で二死1、2塁というピンチを招きます。この場面で、今日第1打席で今永投手からホームランを打っているターナー選手が打席に入ります。ターナー選手はここまで5本のホームランを打ち、アメリカ打線の中でも最も好調な打者です。しかし戸郷投手はここを踏ん張って空振り三振で切り抜けます。この場面は振り返ると大きな1アウトでした。仮にヒットで繋がれると同点でさらにピンチが広がる可能性がありました。

その戸郷の踏ん張りで流れが日本に傾いたのか、4回には岡本選手のソロホームランで3-1とリードします。結局この1点が大きかったですね。 
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5回表から栗山監督はチーム最年少の高橋宏斗投手にスイッチします。この決断は相当勇気のいる判断だろうと思います。高卒でまだプロになって2年という二十歳の若い投手に託すのは、よほど信頼を置いているのでしょうか。二死1、2塁というピンチを背負いますが、無失点で抑えてくれました。大した心臓の持ち主です。恐れ入りました。

そこから互いにこう着状態が続き、8回表にダルビッシュ投手を送り出しました。
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ダルビッシュ投手は前回の韓国戦に登板した際にはホームランを打たれるなど3失点とやや精彩を欠いているように思われました。その心配が当たり5番のシュワーバー選手にソロホームランを打たれ、1点差まで詰め寄られます。

そして9回表、アメリカ最後の攻撃を迎えたところで、マウンドに立ったのはなんと大谷翔平選手です。
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まさかまさかのクローザーに大谷選手を起用するとは。球場内は大歓声です。栗山監督は別に演出を狙った訳ではないと思うのですが、アメリカの攻撃は9番からで順調にアウトを取ればツーアウトでマイク・トラウト選手と相対することになります。昨日ブログに期待して書いたことが、現実になり僕も大興奮です。こんなドラマのようなことが起きますか?思えばオーストリア戦で大谷選手が放ったホームランは自身の看板にぶち当てました、これも漫画の世界のようでした。
大谷選手は先頭打者に四球を与え、一気にアメリカを応援する観客のボルテージが上がります。 しかし続く打者をショートゴロダブルプレイに打ち取ります。この時は大谷選手も吠えていました。気合の入り方がハンパないですね。そして冒頭に書いた場面となります。
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今回のWBCを振り返ると、決して楽な試合は一つもなかったように思います。結果大差で勝ったゲームも中盤までは重苦しくどうなるのか、わからない状況がありました。とにかく粘り強く次の打者につないでつないでという、言って見れば全員野球で勝ち取った勝利ではないかと思います。 大谷、吉田、村上のクリーンアップは要所でいい仕事をしていましたし。ヌートバー、近藤の1、2番コンビは出塁率が高く最強でした。6〜9番の選手たちもなんとか出塁して、上位打線につなぎチャンスメイクしてくれました。
素晴らしいチームだったと思います。そんな最強チームをまとめ上げた栗山監督もまた讃えられる1人だと思います。
次回は3年後に開催される予定だとのことですが、また強い侍ジャパンを是非見せてもらいたいです。 

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本日3月21日の日本時間午前8時頃から、2023WBC準決勝、日本対メキシコ戦が行われ、日本が9回裏に逆転サヨナラ勝ちを収め、決勝へと駒を進めました。この勝ち方には大興奮しました。
昨年、サッカーのW杯で日本が強豪ドイツやスペインに勝利した時と同じくらいエキサイティングなゲームでした。
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少し試合を振り返ります。先発は日本が佐々木朗希投手、メキシコはサンドバル投手で始まります。サンドバル投手は米メジャーリーグ、エンゼルス所属で大谷翔平選手とは普段とても仲が良いそうです。
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初回立ち上がりは両投手ともほぼ完璧な投球内容でした。サンドバル投手は左腕で非常にキレのいいボールを投げており、日本チームは1番から5番まで左バッターが並んでいることもあり、手こずるだろうなという印象を持ちました。
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試合が動いたのは4回表メキシコの攻撃で二死走者なしから、連続ヒットで1、2塁から、6番のウリアス選手に左中間に3ランホームランを浴びてしまいます。ここまでほとんどヒット性の当たりがありませんでしたが、この打者の時に唯一フォークボールがすっぽ抜けて、甘く打ちごろの高さにいってしまったのです。とはいえ、ど真ん中のボールが来ても打ち損じることはよくあることですから、やはり打った打者を褒めるべきだと思います。メキシコの先発メンバーは全員がメジャーリーガーということもあり、これまで戦ってきた相手とはレベルが違うように感じました。解説者の槇原さんや佐々木さんもおっしゃっていましたが、2ストライクからファウルで粘り、功打者が多いです。
 
一方の日本チームは4回裏、2番近藤選手と4番吉田選手のヒットで二死1、3塁とチャンスを作りますが、5番の村上選手が三振で、得点できません。村上選手はこのWBCの一次リーグから見逃し三振が目立つのが気になります。打撃好調な日本チームの先発野手の中、一人蚊帳の外という感じで表情も暗いように見えます。そして5回裏先頭の岡本選手がレフトに大飛球を打ちますが、レフトの守備についていたアロサレーナ選手の大ファインプレーでアウトになりましたが、取られなければホームランだったように見えました。
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ホームランだと思った岡本選手もはしりながら「え?取られたの?」っていう表情でした。その後一死1、2塁となったところで、先発サンドバル投手をマウンドから降ろします。代わったアルキーデイ投手を攻め二死満塁とチャンスを作りますが、最後は近藤選手が大きなレフトフライで、ここもホームに返すことができません。6回裏も二死満塁まで攻めましたが、源田選手がレフトフライで終わります。何かことごとくレフトの好守に阻まれている感じです。だんだんとフラストレーションがたまってきます。日本は5回途中、佐々木投手から2番手山本由伸投手にリレーし、5回から7回までほぼ完璧にメキシコ打線を沈黙させました。この間に1点でも追いついておきたいところでした。

そして7回裏二死走者なしから、2番近藤選手がヒットで出塁し、代わったロメロ投手から 3番大谷選手が四球を選び、二死1、2塁から4番吉田正尚選手がライトポール際に3ランを放ち同点とします。待望の得点が入ったのですが、まさか3ランで同点になるとは。日本チームはこれで一気に盛り上がりました。 
しかし、メキシコも負けてはいません。8回表に2本の二塁打ですぐに引き離されます。さらにヒットを打たれたところで、山本投手から湯浅投手にスイッチしますが、タイムリーヒットを打たれ、5対3と2点のビハインドとなりました。この時はメキシコ打線の強さを見せつけられた場面でした。
8回裏、日本は岡本死球、山田ヒットでのアウト1、2塁から源田が犠牲バントで送り、一死2、3塁の一打同点の場面を作ります。ここでキャッチャー甲斐に変わり代打山川がレフトに犠牲フライを打ち、1点差とします。その後二死1、2塁としますが、近藤が三振に打ち取られ、1点ビハインドのまま、残されたチャンスはあと1イニングだけとなります。

メキシコの9回表の攻撃は大勢投手が危なげなく退け、いよいよ日本の最後の攻撃を迎えます。
メキシコはクローザーで実績のあるガイエゴス投手がマウンドに上がり、万全の逃げ切り大勢を取ります。先頭は大谷選手、初球を叩き右中間2塁打を放ち、2塁ベース上でベンチに向かって両手を大きく振りあげ鼓舞していました。この姿は非常に印象的なシーンです。
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大谷選手は準々決勝のオーストラリア戦で先発した時も1球ごとに大きな雄叫びをあげながら投げていました。本当に魂を込めて一生懸命プレーしている姿がなんともカッコいいです。この2塁打の場面でも1塁ベースを回る前にヘルメットを自ら放り投げ、全力で2塁に向かって走る姿など意気に感じないわけにはいきません。続く4番吉田選手は四球を選び無死1、2塁と絶好のチャンスで5番村上選手がバッターボックスに入ります。不振の村上選手だと、この場面もしかしてバントもあるかも?と一瞬よぎりましたが、そんな消極的な策を栗山監督は選択せず、ヒッティング。そして村上選手はセンターの頭上を越えフェンスに直接当たる大きな当たりを放ちます。ランナー2人がホームインし、見事なサヨナラ勝ちとなったのです。さすが村上選手、この最高の場面で最高の仕事をしてくれました。思わず手を叩き、目頭が熱くなりました。解説者の方々も同様に涙が出てきますとおっしゃっていたので、やはり僕だけじゃないよなって思いました。
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この場面って、2009年のWBCでのイチロー選手が韓国戦で最後に放った2点タイムリーヒットを思い起こさせます。この時、安打製造機と言われたイチロー選手は絶不調でした。最近CMでも流れてますね。しかしこの1本のお陰で不調だったことは忘れ、さすがイチロー選手、頼れる打者だ、って印象しかありませんね。

この場面を冷静に考えると、2塁ランナーがホームに帰ってくるのは当たり前ですが、よく1塁ランナーまで帰ってきたなということです。実は吉田選手に代走を送り周東選手が入っていたのです。周東選手と言えば、走りのスペシャリスト。終盤にここぞという場面で、足で相手にプレッシャーをかける作戦です。
村上選手の打球を見て、判断よくスタートを切っていたため結果的には楽にセーフになったのですが、これは栗山監督のファインプレーだと思います。いいタイミングで適切な選手を起用したベンチワークには拍手を送りたいです。ベンチの判断としてはもう一つファインプレーだと思われる場面がありました。
それは7回表のメキシコの攻撃中、一死1塁の場面で打者が三振し、1塁ランナーが2塁に走った場面です。審判のセーフの判定に日本側がチャレンジしてビデオ判定になり、結果アウトでこの回の攻撃が終わりました。すぐその裏から日本の怒涛の攻撃が始まったことを思うと、あのチャレンジ成功から流れが変わったように思います。日本は7、8、9回の3イニングで全得点を奪いました。

また、打撃においてはメキシコの方が良かったかもしれませんが、投手力は日本が上回っていたように思います。先発投手こそメキシコは良かったですが、それ以降5人の投手はそれほど素晴らしいとは思えませんでした、中盤の中継ぎ陣は日本の投手の方が良かったです。
決勝に向けて、まだ温存している投手もいることを考えると日本の投手陣は世界一かもしれません。
今日、お伝えしたかったことは、このメキシコとの試合は日本の球史に残る試合になるだろうと確信していることです。こんな絵に描いたような試合をこの大舞台でやってくれる選手や関係者たちは本当に素晴らしいですし、感謝しかありません。メキシコチームはとても強かったです。最後まで試合の主導権を握ることができず、またベスト4の壁に阻まれてしまうのかと弱気になっていました。

さて明日の決勝はアメリカです。最高の舞台で最高の相手と戦うことになりました。
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アメリカチームのキャプテンはマイク・トラウト選手で、大谷翔平選手と同じエンゼルスの主力打者です。
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大谷選手がマウンドに上がる場面があるかわかりませんが、大谷投手とマイク・トラウト選手の対決が実現したら、ドラマのようで、非常に楽しみですね。日本のみならずアメリカのメジャーリーグファンも必見の場面になるでしょう。互いに総力戦になるのは必至、世界中が注目する一戦となります。このWBCで、今まで名が知られていなかった選手もメジャーリーグのスカウトに着目されることになるようになりそうです。
今日のような素晴らしい試合を見せてくれることを期待します。


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