「ジーン・ワルツ」を読みました。

不妊治療や代理母出産という問題をテーマにしストーリーが展開します。

「出産」…改めて考えてみるとなんという神秘的なものでしょうか。

人間は誰もが母胎からこの世に生まれます。

まず精子と卵子が結合し小さな生命体が誕生します。
そして、母胎の中で十月十日育まれ、外の世界で生きることができる状態になってようやく人として誕生します。

しかし、それは数々のハードルを超えてやっと成立しているということです。

結合した後も、何らかの要因で奇形になることがあります。
また、様々な問題で病気を持っている可能性もあります。
出産の際にも逆子など命の危険が孕んでいます。母胎の方もそのリスクは伴います。

そもそも精子と卵子のマッチングが悪いと受精にも行き着きません。
子供ができない夫婦の多くはこの問題で悩まれているそうです。

医学会と官僚そして不妊に悩む夫婦などにおける問題点に鋭く切り込んでいる社会派小説で、著者の海堂尊氏がいっぺんに好きになりました。

医療行為の描写も非常に細かく書かれています。

産婦人科の医師は、なり手が現象傾向にあり、そのため地方の医院に医師の数が不足しているという現実的な問題もあります。

主人公はそういった役人たちの臆病(チキン)な行動に業を煮やし1人立ち向かいます。

4人の妊婦が同じ日のほぼ同時刻に産気づいて大慌てになるという小説ならではのシーンはハラハラさせられますが、その後の急展開は読んでいてグイグイ引き込まれました。

あとがきに、海堂氏の小説には、登場人物が多くの小説にまたがって登場するとありました。
割とそういうの好きなパターンです。

幸い、自宅に何冊かありますので(多分娘が読んだ本です)これから楽しみになりました。