15日にこの件でブログを書いたところ、多くの皆さまからアクセスをいただき、皆さまの関心が高いことがわかりました。
この件でまず訂正したいことがあります、それは「グレーゾーン遺体」という言葉についてです。この言葉はどうやら報道したNHKによって作られたものだということがわかりました。この放送は業界の中からもいろんなご意見が出ており、以後使わないようにいたします。

放送をよく見るとわかるのですが、葬儀社の方も「グレーゾーンの肺炎でお亡くなりでいらっしゃる故人様の対応をどうするのか」という言い方をされており、「グレーゾーン」は肺炎に対して使われておりご遺体のことをさしてはいませんでした。そして故人の尊厳やご遺族の心情などを考えた時に、業者の対応が非常に難しいということをおっしゃっていました。

簡単に言えば、ご遺族の立場に立って考えた時、家族の遺体に対して「グレーゾーン〇〇」と言われたら、どう思いますか?ということです。NHKはわかりやすくそのような言葉で報道したのかもしれませんが、もう少し慎重に言葉を選んだ方がいいように思います。

業界の方で、この放送に対していろんな思いを述べておられる方がみえました。その方によると、コロナウィルスが疑わしいご遺体をそのまま葬儀社にゆだねるのは、病院側の問題であるとのことでした。そんな無責任なことはなく、どちらかはっきりして渡すべきだということです。そしてご遺体に対し、「グレー」とか「ブラック」とか言うこと自体が失礼だとの見解でした。

ご遺体が感染症だった場合には扱いがまったく変わることになります。対応する者は防護服に身を包み、火葬場に直接向かうことになります。一方、陽性のご遺体を認識の無いまま扱った場合は、業者だけでなくご遺族の方々にも感染が広がる可能性があります。
やはり疑わしい場合は、検査をし結果が出るまで搬送しないというような取り決めが必要になってくると思います。そうでないと外出自粛をしていても、別なところから感染が止められなくなります。

また、恐ろしいのは、死因が肺炎であればまだ検査しようということになりますが、そのほかの死因だった場合です。今朝のニュースで別の病気で病院に入った患者さんの6%がコロナの陽性だったというデータが示されたとのことでした。感染経路が不明の陽性患者が増える中、やはり検査の重要性がクローズアップされるように思います。

変死体が実は陽性だったという事例が全国で11件あったという報道もありました。
今は、感染者数に焦点が当たり何とか拡散を防ごうという話題が多いですが、今後は死亡された方を取り巻く諸問題に注目が集まるかもしれません。

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https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20200422/5010007674.html