先日、日本でも緊急事態宣言が出され、コロナウィルスは依然として拡大が収まりません。

これまで糖尿病などの持病がある方や高齢の方が重症化しやすいということはよく知られていることだと思います。さらに喫煙者の重症リスクが高いということが最近になって注目され始めています。
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日本禁煙学会によるとCOVIT-19が重症化しやすいのは(1)高齢(60歳以上)、(2)喫煙(現在、喫煙している人、過去に喫煙していた人)、(3)喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある人、(4)糖尿病や肝疾患などの慢性疾患のある人だとしています。
タバコが、肺がんをはじめとするさまざまながんや、脳卒中・心疾患などを引き起こすことは承知の通りです。それだけでなく、喫煙は肺をはじめとする呼吸器や全身の免疫系にも悪影響を与えるということです。
インフルエンザ、ノロウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)などの感染症についても、喫煙者は感染しやすく、感染すると重症しやすいことが知られているようで、COVID-19についても同様であることが示されました。
中国の研究グループによると喫煙者はCOVIT-19が重病化し、肺炎が起こるリスクが14倍も高いことが示されたそうです。
また、電子タバコや加熱式タバコについても元来の免疫システムの能力が損なわれ、肺炎リスクが高まると言われています。
さらに深刻なのは、受動喫煙でわずかな量を吸い込んだ場合でも呼吸不全に陥る可能性が指摘されています。
また、喫煙者は重症化になる可能性が高まるだけでなく、感染しやすくなるということも言われています。喫煙とCOVIT-19の関係を考えた時、真っ先に頭に浮かぶのは先日お亡くなりになった志村けんさんじゃないでしょうか。彼はヘビースモーカーだったことで有名です。4年前に禁煙されたそうですが、肺はかなりダメージを受けていたのでしょうね。
では禁煙は役に立たないのかといえばそうではありません。日本禁煙学会は「喫煙者には、この機会に禁煙に踏み切ることをお勧めします。禁煙することで、リスクは低減し、やがて非喫煙者と同等になります」と、コメントしています。

おりしもこの4月1日から健康増進改正法が施行され、喫煙場所が大きく制限されました。COVIT-19は、我々社会にとって大変深刻な問題です、禁煙を決断するためのいいきっかけになればいいですね。

※糖尿病ネットワークの記事を参考にさせていただきました。