先月、イギリスのメディアからナイキ社のヴェイパーフライ、いわゆるピンクの厚底シューズが禁止されるのではと報じられました。東京五輪で使用禁止になれば多くの選手に影響が出ることは必至でその結論に注目が集まっていました。
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そして、1月31日に世界陸連は、新たなルールを発表し、東京五輪ではひとまず使用できることとなりました。その新ルールによると「ソールの厚さは4㎝まで」「反発力を生み出すプレートは1枚まで」ということで、多くのランナーが使用しているヴェイパーフライを容認せざるを得なかったのではないかと思います。これで一件落着だと思ったのですが、新ルールではさらに「使用可能な靴は4ヶ月以上市販されたものに限り、見た目の変更や医療上の理由をのぞき特注品の使用を認めない」となっています。
いやいや、それはそれで大問題ではないですか。
ヴェイパーフライ登場以前はトップランナーたちは多くの選手が特注シューズを履いていたと思います。
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ついこの前の大阪国際女子マラソンで優勝した松田瑞生選手もその一人、非厚底シューズで優勝したということで話題になりました。その足元を支えたのは、伝説の靴職人、三村仁司さんという方でした。三村さんはトップランナーたちの特注シューズを40年以上にわたり作り続けており、あの高橋尚子さんや野口みずきさんら最近の日本の五輪メダリストのシューズをすべて担当されておられます。そもそも足の長さや形は誰もが左右同じではなく、それに合わせた数ミリ単位での調整で足の負担を軽減し、走りに大きく貢献しているとされています。
前述の松田選手は、外反母趾があり高校時代から三村さんのシューズを愛用してきたそうです。この前の大阪国際女子マラソンの3日前に試合用のシューズを履いた松田選手から「きつく感じる」と言われ急きょ2.5ミリ大きいシューズを作り直したそうです。松田選手は足が大きくなったり小さくなったりするタイプだそうで、その場で対応する必要があるということを熟知しておられる靴職人さんの地道な作業が優勝に大きく貢献したような気がします。
三村さんは最近の厚底シューズブームについて「他メーカーの靴のことはわからないが、厚くても薄くても本人に合っていることが大事」だと強調されていたそうです。
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話しが長くなりましたが、特注品の靴が認められないとなると、もう三村さんの靴は使用できなくなるということなのでしょうか。もしそうであれば、またまた大変です。男子マラソンの川内選手も同様のことを懸念され、今回の新ルールで三村さんの靴の愛用者が一番被害を被るのではないかとおっしゃっています。「医学的根拠」と言っても、シビアな問題でこれも明確ではない気がします。
今度は逆に「ヴェイパーフライ」を使用しない選手が精神的に追い込まれる形になってきました。
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世界陸連の方々ももう少しタイミングを計ってことを運ばないと大変なことになります。4年に一度のオリンピックの半年前にきてこのドタバタ劇は何なんでしょうか。
よくアスリートファーストなどと言われますが、現実はまったくその逆のようであきれるとともに悲しくなりますね。
また、新たな問題が勃発したようです。