ピンクの厚底靴と言えば、もうすっかりおなじみになったナイキのヴェイパーフライのことです。
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長距離ランナーの間で「魔法の靴」などと言われ、多くの大会において好記録を連発して話題になっています。厚底の中にカーボンプレートが仕込まれており、これが反発してくだり坂を走っているような感覚になるということです。
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今年のお正月の箱根駅伝でも出場した80%以上の選手がこの靴を使用していたそうで、区間新記録ラッシュとなったことは記憶に新しいかと思います。
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となると当然、東京オリンピックでもこの靴が大流行すると予想されていたのですが、世界陸連の新規則で禁止になるとイギリスのメディアが報じました。このタイミングでの発表には驚かされますね。
昨年10月にはIOCがマラソンコースを突如札幌に変更すると発表があり、関係者を混乱させました。そして今度はシューズ問題が勃発、マラソンのみならず長距離選手はたまったもんじゃありません。

ウェアの禁止と言えば、2008年に水泳界で一斉風靡した「レーザー・レーサー」という水着を思い出します。一時はほとんどの選手がこの水着を使用しました。
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この水着を着用した選手らが記録を連発したことから懸念の声が上がったのでしょう。その後、国際水連から規制がかかり、2010年からこの水着の着用が禁止となり、大きな話題となりました。

「またか」というのが、正直なところです。ウェアや用具などのメーカーはしのぎを削って新商品の開発をしています。その結果が好記録につながっているのは間違いないところです。しかし、多くのトップ選手らはメーカーと契約関係にあり、例えば、ナイキのシューズがいいからといって他メーカーと契約している選手は簡単に変更することが難しいため、公平性が損なわれるという事らしいです。だから禁止というのも何か拙速すぎる感じがしますね。
ある元アスリートの方によると、メーカーがどんどん新商品を開発するのに、取り仕切る連盟などがそのスピードに追い付いていないのが現状みたいです。なので常に後追いになっているそうです。

前出の水泳界では「レーザー・レーサー」が禁止された後記録が低迷したかというと、そうではなく、その後も多くの世界記録が誕生しているそうです。規制がかかったとしても、それを上回る新しいテクノロジーが開発されていくもののようです。

また、いくら靴が高機能になったと言っても走るのは人であり、鍛えられたアスリートのパフォーマンスがなければ好記録も生まれません。要は、靴が変わっただけで好記録が出るものではないということです。今回このシューズがやり玉に挙げられていますが、過去これまでもシューズは常に開発されてきているはずです。ウェアだって、サプリメントだって競技に関わるものはいろんな企業が関わりサポートし、しのぎを削っているわけです。ナイキ以外のメーカーも負けじと開発に余念がないと推測します。であれば、選手が自由に選択できるのが最もいいと思います。契約については、他メーカーを使ってもいいという契約を結んだら不公平もなくなるのではないでしょうか。もっともそれが可能かどうかはわかりませんが。

東京オリンピックまでもうあと半年です。いずれにせよ早く決定してもらわないことには、選手たちは不安で仕方ないと思います。突然のコース変更もそうですが、選手の心情がまったく考慮されず、この件もまたアスリートファーストには程遠い気がします。