タニタといえばもう皆さん良くご存知の体脂肪計の国内トップメーカーですね。また、ヘルシーレシピで一躍有名になったタニタ食堂等でも知られています。
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そのタニタの谷田社長さんが、2017年より新しい働き方の制度を導入されたということです。それはタニタの社員が「個人事業主」として独立するのを支援するものです。独立した人には、従来のタニタでの仕事を業務委託し、社員として得ていた収入を確保します。そうすることで働く時間帯や量、自己研鑽にかける費用や時間などを自分でコントロールすることが狙いなんだそうです。副業としてタニタ以外の仕事を受け、収入を増やすことも可能だとしています。
発案者の谷田社長は「働き方改革=残業削減」という風潮に疑問を抱いていたそうです。働きたい人が思う存分働けて、適切な報酬を受け取れる制度を作りたいと考え、導入したのがこの「社員の個人事業主化」なんだそうです。

対象はタニタ本体の社員の中で希望する人です。退職し雇用関係を終了したうえで、新たにタニタと「業務委託契約」を結びます。独立直前まで社員として取り組んでいた仕事を「基本業務」としてタニタが委託し、社員時代の給与・賞与をベースに「基本報酬」を決めます。その基本報酬には社員時代会社が負担していた社会保険料や通勤交通費、福利厚生費も含めます。社員ではないので就業時間に縛られることはなく、出退勤の時間も自由に決めることができます。

2017年から始めた8名の場合、平均収入が28%ほど上がったそうです。それに対し会社の負担は1.4%の増加にとどまり、現在では26名の社員が独立したということです。

まったく新しい考え方で素晴らしいと思います。
今働き方改革で、多くの企業が「残業するな残業するな」その一方で「売上上げろ」・・なんか矛盾しているように感じてなりません。残業を減らしたり、有給休暇を強制的に消化することが真の働き方改革なんでしょうか。その姿勢には違和感を覚えます。工場のように毎日8時間定時で終わる仕事ばかりではありません。
また、残業手当を稼ぎたいという人もいるはずです。もちろん過労死の問題が根底にあることは理解しています。ですからやらされるのではなく自らが自分の仕事をマネージメントするというのは非常に理にかなっていると思うのです。
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谷田社長はこんなこともおっしゃっています。「会社も経営危機が訪れるかも知れない。そんなに時優秀な社員が少しでも多く残ってほしい。もしかすると給与や賞与が払えなくなる場合が来るかもしれない。そんな時、タニタ以外の仕事もできる仕組みができれば、お互いのためになるのではないか」
そんなことから「会社が社員の個人事業主化を支援する仕組み」を考えるきっかけになったと言います。

タニタから新しい仕事を依頼する場合、明らかに従来の業務と違えば、「いくらくらいで追加業務としてお願い」というやり取りが行われているそうです。従来残業で対応していた仕事に対してきちんと報酬が支払われる仕組みが浸透し始めているということです。
仕事を頼む方からすると、残業が必要になるなどの事情で社員に頼めない業務を、きちんと報酬を提示したうえで個人事業主に頼むこととができるようになりました。そういったことから、必要かどうか、第三者に依頼した方がいいかなど仕事の見直しに寄与しているそうです。そして仕事の価格の相場観を持つことにもつながっているようです。

2021年春に入社する社員は、全員が個人事業主になることを前提として採用する予定だとのことです。

僕はこの記事を読んで、とても合点が行きました。本当の働き方改革ってこうあるべきなんじゃないかと。ただし、日本の社会にどこまで浸透するか、また、社会が理解するのにどのくらいの時間を要するのかはわかりません。しかし、ある程度広がっていくような気がします。職種にもよるでしょう、このやり方がどの職業にも合致しているとは限りません。

今、ちょうど吉本興業とそこに属している芸人さんとの間で雇用の問題が起こっています。この会社など、もしかするとうまく当てはまるかもしれません。
会社と社員は対等な関係であることが理想です。そしてwin winになることが一番です。
報道の記者会見の中で、ファミリーとか親子のような言葉が出ていますが、理解に苦しみます。仕事に対し、その対価を支払う側と受け取る側ですから立場の違いは大きいです。

タニタさんの話に戻ります。仕事をバリバリやりたい人、そこそこでいい人、それぞれ思いは違います。自分で仕事量をコントロールできるなんて幸せなことじゃないでしょうか。
毎日満員電車で通勤している何てこと、早くなくなればもっと働きやすくなると思いますが。
働き方改革も経営者の考え方次第ですね。


※日経ビジネス タニタ社長「社員の個人事業主化が本当の働き方改革だ」を参考にしました。