あの「疫病神」シリーズの始まりがこの本だ。 
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昨年、このシリーズの「国境」を読んでブログに書いた。

とにかく、イケイケ極道の桑原とうだつの上がらない建設コンサルタントの二宮のコンビが次から次にいろんな事件に巻き込まれる、というか自ら事件に突っ込んでいく。


「国境」では北朝鮮が主戦場だったこともあり、また、別な緊張感があったが、今回は大阪が舞台である。
いわば、ホームグランドである。

二人の間柄もまだまだ初々しさが漂っている。

このシリーズの魅力は、何と言ってもこの二人のキャラクターにあるだろう。
特に、桑原という男のハチャメチャぶりはなかなかすごい。
「極道とはこういうものだ」という事を自ら実証している人物と言える。

それでも時折見せる男気があるから芯からは憎めないのである。

あるネットでの批評にこの作品を評して「笑えるハードボイルド小説」とあった、んーなかなか言いえて妙というか、面白い表現だなあと思う。
二人の会話はボケとツッコミの漫才のようでもある、息があっているかと言えば…どうだろう?
互いに毛嫌いしているところもあるので実際のところよくわからない。しかし…笑える。

本題の「疫病神」だが、産業廃棄物処分場の土地をめぐり、様々な人々が動き、金もうけを企てている。

ある仕事話から、この件に首を突っ込むことになる二宮、そして
そこには、利権が絡み政治家、土地ブローカー、表向きは建設業や土木業者の顔をして実は組関係の会社などが臭いをかぎつけて群がってくるのだ。

このシリーズはとにかくスピード感がとても速い。どんどん話が展開するから、またぐいぐいと話に引き込まれていく感じである。ついつい次のページをめくってしまい、もっともっと読みたくなってくるから不思議な魅力がある。

一見メチャクチャを言ってるように思える桑原だが、実はかなり計算している部分もあって、時々二宮も一目を置くところがある。

桑原はおそらく多くの修羅場をくぐってきているのだろう、ここぞの度胸は半端ではない。
そして、ケンカにも自信を持っている。相手を挑発するのはお手の物だ。

このシリーズで2014年に直木賞に輝いた「破門」だが、来年映画化される見込みだそうだ。
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BSスカパーでは2015年にテレビドラマ化され、DVDでも発売されている。
2016年のBSスカパーでは「螻蛄」(けら)がドラマ化されている。

ちなみに次はこの「螻蛄」を読む予定だ、もう購入済みで自宅待機している。

拳銃でドンパチではなく、素手で殴りあうシーンが多いのは、作者の意図的なものであろう。

もし読まれるとすればバイオレンスシーンが多いのでそこはちょっと注意が必要かもしれない。