17日、沢田研二ことジュリーが公演当日直前に中止を発表し大きな話題となった。
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この件について、ガラガラの客席の前で歌うことはできないという理由だったことから、批判の声やジュリーをかばう声など賛否両論が飛び交った。
9000人収容のさいたまスーパーアリーナで7000人分しかチケットがさばけていなかったらしい。プライドの高いジュリーらしい行動だと称賛する声もある一方で、イベント主催側の責任問題も取りざたされていた。23日に兵庫県の尼崎市で行われたコンサートは1820席がすべて埋まったという。17日中止の余波も関係しているかもしれないが、そのくらいの会場規模ならば難なく満杯にできるという事なのだろう。

ガラガラとは言え7000人ものファンが、チケットを買って会場まで足を運んでくれたわけである。これはすごいことである。その方々に大変失礼なことをしたのではないか。自分のプライドとファンを天秤にかけてプライドを優先したわけだ。

僕はジュリーのことをとても素晴らしいシンガーだと思っている。懐かしの名曲(邦楽編)の第1回で「時の過ぎゆくままに」を紹介させてもらったほどだ。しかし今回のことにはいささか承服できかねる。もっとファンのことを大切に考えてほしかった。この日ジュリーのコンサートを待ち遠しくて楽しみにしていた方が大勢いたと思う。もしかすると仕事の休みを取って備えていた方もいるのでないだろうか。そう考えると、とても残念な行動だった。このことで気持ちが離れてしまうファンがいるかも知れないのだ。

また、イベンターはかなり前にチケットの状況がわかっていたわけで、本人に早く伝えるべきだっただろう。
まさかキャンセルされることはないと高をくくっていたことが、この結果を招いてしまった。
何年か前にも同じようなことがあったらしい。とすればイベンターは過去の前歴から察知するべきであった。最悪の場合、そういうことがありうるアーチストなのだ、と。

ジュリーは現在70歳、いまだ声が出て歌えるということは素晴らしい。ボイストレーニングを続けていることだと思う。80歳までやりたいと意気込んでいるそうだが、もしそれが実現すればすごいことだ。
今回の騒動で「勝手にしやがれ」などという声も上がっていた。僕は「憎みきれないろくでない」なのかな、などと思ってみた。「危険な二人」ならぬ「危険なおじさん」にならないようお願いしたい。

これまでもライブはとても貴重だと言ってきた。それはその時のパフォーマンスは二度と見ることができないからだ。

どうか見ることのできなかった7000人のファンに何らかの形で報いる行動を切に心から願うばかりだ。