久しぶりに本のブログを書きます。
振り返ると今年の3月に 「定年ゴジラ」をアップして以来となります。
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ここのところなかなか読書タイムを取ることができずに、この本を読み終えるまでに相当な日数を要してしまいました。途中で話の筋が頭から離れてしまい、少し前に戻りつつなんとか読み終えました。

さて 「カレイドスコープの箱庭」ですが、「バチスタ」シリーズあるいは「東城大」シリーズの最終章となります。「チームバチスタの栄光」から実に7作目となります。

今回も高階病院長から不定愁訴外来の医師であり、リスクマネジメント委員会の委員長である田口医師に無理難題(?)のお願いから始まります。

今回は先日亡くなられた患者さんを肺がんとしたのが、誤診ではないかという疑いがあるため、調査を依頼したいということでした。内部告発から検体の取り違えの疑いが出ており関係者に聞き取り調査をすることになりました。
ことがことだけにあまり公にしたくない、内密に実態を解明せよ、という指令です。医療ミスとなれば大ごとになる、そうなる前に手を打っておかなければいけないというわけです。

田口医師が聞き取りを始め、ある検査技師の検体の取り違えが濃厚である、というところに行きつくのですが、どうもいまいち釈然としません。するといつものようにと言うか、お約束通りというか、厚生労働省のはぐれ技官、火食いどりと呼ばれる規格外役人の白鳥圭輔が登場します。
田口医師はまた現れたかと気が重くなります。実は高階病院長の差し金だったのです。

二人のやりとりは相変わらずの面白さ、一見的外れのようでしっかりと真髄に切り込んでいく白鳥は、いつもながら切れ味鋭いです。


ストーリーの中身をあまりお話ししてはいけませんので、これくらいでやめておきます。

読み終えたあと、付録で「作品相関図」というのがありました。
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これは海堂尊ファンにとっては、とてもいいプレゼントではないでしょうか。いやまず僕にとってとてもありがたいです。以前にも書きましたように、海堂尊氏の小説は同じ登場人物が多数の作品にまたがって登場します。時には時代をさかのぼり、若かりし頃の物語があったり、それはうまく構成されています。
ただ、作品が多すぎて関係性や時系列ががだんだんとよくわからなくなってきます。この相関図は一目でそれを解決してくれます。
今のところ、ここに載っている26作品中17作品は読破しました。あと9作品読めば全巻達成となります。ま、単なる自己満足に過ぎませんが。
他にも、「桜宮市年表」なるものが掲載されており、これまで桜宮市でおきた出来事が時系列でわかりやすくしてあります。
また、「放言日記」では海堂尊氏のデビューから10年間の歩みがまとめられており、これまたファンにとっては興味深いものになっています。

作品そのものも楽しめますが、この付録も楽しめるようになっており、ちょっと得した気分になります。

P.S>
先日、有川浩氏の作品をまとめて買い込んで来ましたので、今後しばらくは有川作品をアップすることになりそうです。いつになることやらわかりませんが、ボチボチと気ままにやらせていただきます。