5月4日の朝、イチロー選手の会見が始まった。
それは、前日から報道されているメジャーリーグ、マリナーズとの生涯契約についての会見だった。
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会長付特別補佐というあまり聞いたことのないポジションに就任するという。
生涯マリナーズをサポートする役割なのである。
しかも、選手としてプレイする可能性も残しているという異例の契約なのだ。

このことからいかにマリナーズ球団首脳陣がイチロー選手のことを大切に思っているかが伺える。
球団のジェリー・ディポット・ゼネラルマネージャーは「どんな形でも残って欲しいと思っていた」 。
ジョン・スタントン会長は「偉大な選手としてこれからもいてくれることを嬉しく思う」 とそれぞれコメントしている。

そんなスタッフやチームメイト達に囲まれて、イチロー選手もまた、それに答えた格好だ。
「大好きな人たちでなかったら、その決断はできなかったかもしれない。その意味で、後押しはチームメイトだった」 イチロー選手は会見でこう語った。

僕が一番気になったコメントは「これからでしょう。僕は野球の研究者でいたい。自分が今44歳で、アスリートとしてこの先どうなっていくのかを見てみたい」 

非常にイチロー選手らしい言葉だと思った。

今までも、時々常人には難解な言葉を発する時がある。このコメントも一瞬何を言っているのだろう、と思われるかもしれない。

以前から、50歳まで現役を続けたい、と話している。それはいろんなことへの挑戦なのだ。

イチロー選手のことを評して、よく天才バッターだという表現があると思う。もちろんそれには異論はないが、それだけではないと思っている。
まずとてもクレバーな選手だと思う。そして人一倍努力家である。

彼が小学6年生の時の作文がある。
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流石にメジャーリーグとは書かれていないが、すでにこの時プロ野球選手として契約金まで目標設定しているのだ。そして365日のうち360日練習をしているのだ。
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今現在、44歳という年齢まで現役選手でいられるということは、相当体のケアをしていなくては絶対に無理な話である。 実にストイックに体をいじめ鍛え続けているから成し遂げられることなのだ。
一般的に35歳くらいで選手生命が終わることがほとんどということからも、いかに努力しているかがわかる。

もう一つの頭脳という点は、バッティング、守備 、走塁に生かされている。
体格的には日本人の中でも決して恵まれているとは言えない。しかし、それでいながらメジャーで18年間もプレイを続けている。逆に言えばこの体でできることを最大限に表現しているのだと思う。
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イチロー選手がメジャーの野球を変えた、と言われている。
それは、それまでホームランで観客が一喜一憂し、ホームランバッターばかりがもてはやされていたメジャーに、単打で塁に出て、次の塁にスチールし、次のヒット1本で本塁に返ってくる。そんな野球の醍醐味を思い出させてくれたというのだ。
そして忘れてならないのが、「レーザービーム」の代名詞がついた強肩、「エリア51」と言われた堅い守り。
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安打数のことがよく話題になるが、実はそれだけではないということがよくわかる。

ちなみに安打数は日米通算で4367本、ピート・ローズの4256本を上回っているが、ローズ氏は「日本での数を入れるなら、自分はマイナー時代の数を入れるべきだ」と言っている。

日本での数を除くと3089本、メジャーリーグの中で現在21番目である。
 我々日本人としては、50歳まで現役を続けて是非ローズ氏の記録を塗り替えて欲しいと思うところだが、それはかなり厳しいものとなった。

もう一つ残念なのは、日本球界への復帰の道はなくなったということだ。

また、今季はプレイしないということで、エンゼルスの大谷選手との対決が見られなくなった。
5月6日は大谷投手が登板する予定ということだったので、ファンにとっては残念なことだ。
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しかし、それよりもメジャーリーグで後世に名を残す偉大な選手の1人となったイチロー選手のことを誇りに思い、リスペクトする。