多くの企業では4月2日に入社式が日本全国で行われました。

この日ちょうど関東の方に出張だったのですが、名古屋駅や東京駅でリクルートスーツに身を包みちょっと緊張気味な若者がいくつかの集団で歩いているのを見かけました。

皆さん、今まさに「社会人」という新たな世界に飛び込み、不安と期待が入り混じった複雑な気分なんだと思います。

「アキュラホーム」という木造注文住宅を建設する住宅メーカーがあります。
この会社は「カンナ社長」と自ら名乗る宮沢社長さんが経営されている会社です。
時々テレビのCMなどでも見かけると思います。
この会社の入社式がちょっとユニークなんですね。2006年から新入社員に実際にカンナ掛けを体験させるということで話題になっています。
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まずは元大工の宮沢社長さんがお手本を見せた後に行います。初めてカンナを持つ人もいますので、つたない手つきですが、カンナ掛けの技術や木の性質などを体験できる機会となっています。
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ちなみに実際には営業社員ですので、業務でカンナ掛けをすることはないそうです。
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カンナ社長のカンナ掛けに対する思いが伝わってきます。
本物の木の良さや削った時の木の香りなどを身をもって体験でき、自分たちがお客様にどのような商品を売っているのか、木造住宅にこだわる意味などがカンナ掛けに集約されているのかもしれません。

他にも靴クリームのコロンブスでは先輩社員と新入社員がお互いの靴を磨きあうのが45年前から恒例となっているそうです。これは新入社員に自社の製品に初めて触れてもらうことで、商品や会社への愛着を生み出すとともに、お互いの靴をピカピカに磨き上げることで社員同士のコミュニケーションを図るのが狙いだそうです。

やはり、どこでもその会社が取り扱っている商品にまずは「慣れること」が大切だということです。そしてもう一つ大事なことは社員同士のコミュニケーションです。
社長さんがどんなに素晴らしいスピーチをされても、ことばだけでは伝わらないことが多く、やっぱり体で覚えていくことが基本なんでしょうね。

両社の社員さんたちは、この入社式での体験を、おそらく一生忘れないことでしょう。