「ブラックペアン1988」を読みました。
7648A256-3CF5-405F-93DF-4264F06569C8

ちなみに「ぺアン」とは外科手術で使われる止血鉗子のことで、この本の表紙に描かれているはさみのような形をしたものです。

のちに、碧水院病院の生き残り桜宮小百合から糾弾されることとなる医療ミスの真相が描かれています。
前回の「輝天炎上」の元となるストーリーでとても興味深く読ませていただきました。


時は1988年、世は未曾有の好景気に沸き、バブル景気の頂点を迎えていた時代です。

若き日の世良雅志がまだ医者になれるかどうかというところから話は始まります。 

世良はのちに極北市民病院に立て直し請負人として院長に就任し、強引な手法で物議をかもしだすこととなります。その話は 「極北ラプソディ」で書かれています。

舞台はおなじみ、東城大学医学部付属病院です。

そこには、「神の手」 を持つ佐伯教授が君臨し東城大学総合外科学教室がありました。

そこへ帝華大学から高階講師が送り込まれ、一悶着始まります。
高階はのちに東城大学付属病院の院長となる人物です。

若かりし頃は、「ビッグマウス」 とか「小天狗」などと呼ばれ、なかなか鼻っ柱の強い男だったようです。

世良は医師の国家試験に受かり、ようやく医師の卵としてスタートを切りますが、ある手術で、自分のミスにより患者さんを死の瀬戸際に追い込んでしまいます。
外科医として腕の立つ渡海医師に救われ一命を取り留めますが、そのショックで自分が医師に向かないと落ち込み、もう辞めようと決断していました。

1人部屋に閉じこもる世良の元に高階講師が現れ、自分の失敗談を話します。小さなことでくよくよするのではなく、立派な医師になって多くの患者の命を助けることの重要さを説きます。
 
そして世良はようやく悩みが払拭され病院に戻ることを決意するのです。

世良の1年後輩で大学生が、研修生として病院に勤務することになりました。
その3人とは、速水、島津、田口でした。
のちの東城大学シリーズの主役となる3人の若き日の一幕は、読んでいてちょっと微笑ましく感じます。

 癖は悪いが、めっぽう腕のいい渡海医師に憧れを持った世良は、いつか追い越してやると意気込みを持つようになります。


佐伯教授は高階が切った啖呵に対し 、若手だけで手術を行うことを命じます。
その行方はいかに・・・。

原作の中で何度も手術のシーンが詳細に描写され、専門用語がたくさん出てきます。
正直素人には何がどうなっているのかわかりません 。
ただ、手術中の緊迫感はグイグイと伝わってきます。

人の命を預かる医師という職業の難しさや苦労の一端が垣間見えます。

また、その一方で薬品会社との癒着や賄賂というブラックな一面も描かれています。

現役の医師だからこそ書けるリアルな小説は海堂氏の真骨頂とも言えるのではないでしょうか。

大変面白かったです。

余談ですが、TBS系列にて日曜劇場「ブラックペアン」の題名でドラマ化され4月から放送される予定だとのことです。
maxresdefault

天才外科医の渡海医師役を二宮和也さんが演じるそうです。
001_size6

原作のイメージではちょっとあくの強い曲者ですが、そこのところ二宮さんどうでしょうか。
そのほかのキャストも今を時めく豪華陣で固められています。