横綱日馬富士関が引退届を相撲協会に提出したと報道されました。
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それを受け東国原氏はツィッターで「横綱審議会が横綱の品格を重視するなら『引退勧告』をすべきであると思っていた。仮に『引退勧告』をしないのであれば、横綱昇進の条件から『品格』を外すべきと考えていた」と発信されています。

横綱の昇進は審判部から推薦された力士を理事長が横綱審議委員会に諮り、内規等に照らし品格、力量を審査し横綱推薦を答申します。
その規定の第1項に「横綱に推薦する力士は品格、力量が抜群であること」と書かれているそうです。

まず最初に「品格」という言葉があります。「力量が抜群」なのは頂点に立つ力士として当たり前のことですが、まずは「品格」ありきというところが横綱の条件の興味深いところです。
我々日本人は「礼節」を重んじたり「強きをくじき弱きを助く」といった武士道のような精神を尊ぶ心が昔からあります。

残念なことですが、現役横綱の暴行事件は初めてではありません。
2010年に朝青龍関が一般人に暴力をふるい、この時は相撲協会が引退を勧告し、引退届が出されました。

また2010年の野球賭博問題では多くの力士が解雇や謹慎処分を受け、その後大きな社会問題になり本場所が中止に追い込まれる事態に発展したこともありました。角界を揺るがす大事件でした。
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今後の横綱審査委員会にはより一層「品格」面が厳しく精査されることが求められると思います。

僕が子供の頃、横綱の大鵬関の立ち合いはいつも堂々と受けて立っていたと記憶しています。
取り組み相手に対し常に礼節がありました。本当に強い横綱で誰もが尊敬に値する力士だったと思います。
最近は、勝負が決まっているのに、土俵際でダメを押す横綱がいます、皆さんはどう思われますか。
ましてや、行事の軍配に不服の態度を見せるなどもってのほかの行為です。品格などどこにもありません。
横綱はただ勝てばいい、強ければいいというわけではないのです。


さらに東国原さんは次のようにも述べておられます。
~「日馬富士関を昇進させた横綱審議会にも当然責任があろう」。「今回の一連の騒動は相撲協会全体のガバナンス力が問われ、当然八角理事長の責任、貴乃花親方の理事としての規約違反、勿論 暴力行為に及んだ日馬富士を含む力士等の意識改革、暴力(かわいがり)体質の蔓延の改善・除去等様々な問題点・課題が浮き彫りになった。開かれた近現代相撲として各関係者は堅忍不抜・不惜身命の精進を求められよう」~

個人の問題だけでなく協会および関係者全体の問題としてとらえるべきであろうというご指摘です。
先日のブログでそれに近いことを僕も書かせてもらいました。

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 (2010年野球賭博問題のとき)

今回の問題も日馬富士の引退で幕引きというわけにはいきません。
刑事事件として今後は司法の手に委ねられます。
そして相撲協会は、このような不祥事を二度と起こさないよう早急に対策を取る必要があります。
まさに土俵際に来ているのではないでしょうか。