九州場所が白鵬の40回目の優勝で幕を閉じた。

この場所中に横綱日馬富士の暴力問題が発覚し、大きな社会問題にまで発展した。
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当の本人貴ノ岩、そしてその部屋の貴乃花親方が一切何も語らぬまま時が過ぎ、周囲からの情報だけで揺れに揺れている。何が真実かよくわからないままで、ほとんどまだ闇の中だ。
本場所中ということで、警察も控えめにしていたのかもしれないが今後捜査が進みやがて真相が明らかになることと思う。
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我々から見てよくわかったのは、貴乃花親方と八角理事長との関係がうまくいっていないということだ。

そもそも、相撲協会は閉鎖的だとか、隠ぺい体質とか以前から問題視されてきた。
2007年に暴行事件があった時も、相撲協会は改革に取り組む姿勢を表明されたように記憶している。

だが、今このような事態を目の当たりにされると、何も変わっていないと言われても仕方ない。


相撲界では「かわいがり」と呼ばれる稽古がある、親方や兄弟子たちによる荒稽古で「愛の鞭」だと言われているが、「かわいがり」の名を借りた暴力とも言われ、とてもブラックな一面だ。死亡事件にまでなったことで問題視された。

現在の相撲界はモンゴル人力士の活躍が目覚ましい、日本人が弱くなったのか、日本人のファンとしてはやや寂しいところだと思う。

力士になることを目指す日本人の若者が減少していることから、世界から見込みのある若者を日本の相撲界に引っ張ってくるようにしていった結果が現在のこの状態ではないかと思う。

ではなぜ日本の若者は相撲に目を向けなくなってしまったのだろうか。
前述の「ブラック体質」なども一因として考えられないだろうか。

そういったことの改革を進めないと今後も日本人が減少する可能性があると思う。
例えば幕内の半分以上が外国出身者になったとしたらどうするのだろう。
日本の相撲ファンはそれでも支持してくれるのだろうか。

僕は衰退するイメージしかわかない。
僕より若い世代から相撲の話題はほとんど聞かれない。

「相撲」の人気回復のためには、やはり強い日本人横綱の存在が不可欠だと思う。
これは誰でもわかっていることだろう。

僕は相撲ファンでもなければ、特別思い入れがある訳でもないが、現状の相撲界に魅力が感じられない。

思えば約20年前、あの絶頂期の「若貴時代」を懐かしむ人が多いことは間違いないと思う。
貴ノ浪、安芸乃島、貴闘力に隆三杉と二子山部屋の全盛期だ。
ライバルには曙、武蔵丸と強い関取がいて大いに盛り上がった。
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貴乃花対曙戦は本当に手に汗握って取り組みに見入った。
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こんな観戦する者を熱くする取り組みが今あるのだろうか。


くしくも白鵬関が優勝インタビューで「うみを出して」という発言があった。
そういうものの存在がなければその言葉は出てくることはない。
ファンに迷惑をかけたことのお詫びまではよかった。
ただそのあとの万歳三唱にはがっかりした人が多いのではないか。
この辺りがファンの求める真の横綱像とは少しずれているような気がする。

協会が今後取り組むべきことは少なくない。
現状維持では何も変わらないどころか衰退の一途をたどることになると予想する。
昔と違って今は娯楽スポーツがたくさん存在している、胡坐をかいていては取り残されるだけだ。

相撲界の開けた変革とさらなる発展を願い、あえて苦言を述べさせてもらった。