デイリー新潮のサイトにタイトルのような記事があったのでちょっと興味を持ちました。

上記のタイトルに続き「英訳すると「護身隊」-元陸上自衛隊トップは指摘する「軍事のリアル」とあります。

総選挙での自民圧勝を受け、憲法改正がいよいよ現実味を帯びてきた。ということから
『そもそも「自衛隊は軍隊ではない。自衛のための組織である」という「虚構」を維持したまま、憲法にまでその名称を規定してしまうことは妥当なのだろうか。』と疑問を投げかけています。

著者は元陸上自衛隊トップの陸上幕僚長を務めた冨澤暉氏で、『軍事のリアル』という著書を
出版されています。
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「自衛隊」を直訳すると「
self-defense force」となり、その言葉を米国人が聞くと「護身隊」とか「正当防衛隊」という意味にとられてしまうのだそうです。
それは『「世界秩序や国家を守る軍隊ではなく、専ら自分の身を守る部隊」というもので、少なくとも世界の軍隊の常識では考えられない。』と書いています。

そのことから以前自民党にせめて「国防軍」にしてほしいと申し入れをしたこともあったそうです。
そして
『「自衛隊は軍隊ではない」という虚構は、国内では通用しても国外では理解されまい』としています。
最後に
『「陸上自衛隊は陸軍(army)、海上自衛隊は海軍(navy)、航空自衛隊は空軍(air force)と位置づけるのがやはり理にかなっている」』と述べておられます。

皆さんはこのことを受けてどんなふうに思われるでしょう。
海外の国からの目線に立ってのご意見だと思います。
多種多彩な意見があり、集約するためにはもう少し時間が必要な気がします。


今年5月に安倍首相が憲法9条の1項2項はそのままで、3項に自衛隊の存在を明文化することを追加するを公表しました。それは「自衛隊が違憲かもしれない」という議論が生まれる余地をなくすべきである、という考え方のようです。つまり、「自衛隊が軍隊かどうか」という問題より、「憲法違反かどうか」という問題を解決することに軸足をおいていると受け取れます。

大災害や万が一国際紛争が起こった時、我々国民を守る活動に従事する組織が必要なことは誰もが認識しています。

一方で、そのことにより戦争に巻き込まれたり、戦争ありきの軍事組織のようなことになったりすることは望んでいないと思います。

そのあたりは非常に難しい問題で、私風情が論じるような問題ではないことは承知しています。

憲法9条1項に「
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と書かれています。
そして2項には「
陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」となっています。

普通に読むと「武器も軍も持たず、永久的に戦争には参加しない」と読めるのですが。

ただ現実的には、北朝鮮問題でアメリカと日に日に緊張が高まりつつあります。

あまり考えたくないですが「有事」という文言がちらちら見え隠れするような状況が続いています。

「日本は2度と戦争には参加しないんだ」という強いメッセージをこれからも世界に発信していきたいですね。

戦争はいつも弱者が犠牲になります。誰もが大切な家族を失いたくはないと思っているはずです。