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清田清一(きよたきよかず)は地元ゼネコンを定年になり、アミューズメントパークに嘱託として勤務することになった。
剣道師範で父親から引き継いだ自宅敷地内道場で剣道を教えていたが、最後の生徒がやめてしまったため休業することとなった。仲間からは「キヨさん」の愛称で呼ばれている。

立花重雄(たちばなしげお)はキヨさんの同級生だ。
居酒屋「酔いどれ鯨」を経営していたが、息子に譲り店の仕込みなどの手伝いをしている。
柔道家で体が大きく、いつも黒ジャージを着ている。通称「シゲさん」だ。

そして、もう一人有村則夫(ありむらのりお)武闘派の二人とは違い体は小柄だが、機械ものにめっぽう強く頭脳明晰である。
妻を出産時に亡くし、一人娘の早苗と二人で暮らしている。通称「ノリさん」。
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この三人はこどもの頃地元で「三匹の悪ガキ」と呼ばれていた。

ある日、シゲさんから提案があると呼ばれたキヨさん。
それは町内の治安のため三人で自警団をしようという話だった。

実は暇を持て余していたので、一石二鳥を狙ってのことだから、動機はやや不純である。

キヨさんの孫の祐希は茶髪で口の利き方も知らない今どき高校生だ。
最初はジジイとかジーサンとかうるさがっていたが、3人の活躍ぶりを見て徐々に見直すようになる。
偶然キヨさんが働くことになったアミューズメントパークがバイト先が同じだったことから何かと事件に絡むようになる。
ある時、痴漢からノリさんの娘早苗を助けたことから、急速に距離が縮まり秘かに恋心を抱くようになる。


この三人、還暦という設定はまさに自分にどんぴしゃり、そしてとっても元気なジジイ三人組なのだ。
悪い奴らをぶっ飛ばすところなどは痛快そのものである。
痛快活劇コメディといったところだろうか。

町内の悪党たちに立ち向かう「三匹のおっさん」、とても力強くたくましい。

ある時は痴漢を撃退し、ある時は詐欺師を暴き、ある時は中学校で飼育している動物を虐待する輩を懲らしめる。また、ゲーセンで売上金を強奪する不届き者をぎゃふんと言わせる。
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楽しすぎて次々ページをめくってしまっていた。
やはり還暦…同年代ということで共感できる部分が多々あるからだろう。

2008年に刊行されているので、約10年前に還暦だった人が描かれているのだろうと推測する。
とすると僕よりも10歳年上の方ということになるのかな??。

孫の祐希から指摘されて、ファッションに気を遣うようになるところなどもリアルで楽しく読むことができた。
この年代の男はおよそ服装に気を遣うことなど、とうの昔に忘れてしまっている人が多いからだ。

還暦セット(赤いちゃんちゃんこなど)などいらないと拒否するキヨさんに無理やり押し付けようとする息子夫婦とのやり取りも面白い。
息子の嫁のたくらみを見通してズバッと言い放つキヨさんの妻芳江の切れの良さも気持ちよかった。
竹を割ったような性格というか、物事のよし悪しをはっきり言うタイプだ。
芳江さんの性格すごく好き、シゲさんやノリさんたちからも一目を置かれ秘かに恐れられているのだ。

続編の「ふたたび」という本も発売されているそうなので、また読みたい本が増えた。

還暦世代に元気をもらえる作品だ。
身近な話題ばかりで難しいことを考えることなく、さらっと読めるところがとてもいい。

こんな元気な還暦ジジイを目指そう、と思った。

P.S 挿絵のイラストがとっても可愛いのだ。キヨさんの目はどこにある?。
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