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今回の舞台は北海道にある極北市と雪美市である。(架空の都市)

財政破綻した極北市の市民病院の再建を図るべく院長として世良が抜擢される。
世良は大胆に人員削減や救急医療の委託を断行し病院の黒字化を目指した。
この病院何と院長の世良と副院長の今中の2名の医師で運営している。

従い救急患者を診る余裕などなく、隣の雪美市の救急医療センターに全て回すという手法だ。 

雪美市にあるが名は極北救急医療センターという。 
その救急医療センターにはあの「将軍(ジェネラル)」 速水医師が副センター長として勤めていた。

北海道という土地柄、雪に覆われた広大な土地を救急車が走っていては間に合わない。
従って「ドクターヘリ 」と呼ばれる救急医療専門のチームがいつでもヘリで患者を搬送するため待機しているのだ。と言っても天候不順や夜間は出動できない。2次災害のリスクが高まるからだ。
吹雪の時などは飛ぶことができない 、というようなこの地方ならではの特殊な地域医療の現実があった。

海堂氏はいつも小説を通して日本の医療の現実 に対して問題定義を投げかける。

今回は過疎地域や離島の地域医療の問題を取り上げている。

先ほどのドクターヘリだが、そこで患者が待っていることがわかっていて飛びたくても 飛べず、どうすることもできない、という歯がゆい状況になることもある。

そこを無理にフライトしてしまうと規律違反となり、2度とヘリに乗ることができなくなってしまうのだ。
またパイロットの人材不足という問題も抱えており一層過疎医療問題に拍車をかけている。

この本を読んでいたとき、ちょうど中日新聞にドクタージェットについて記事が載った。
医療過疎地から重症患者をジェット機で一気に都市部の病院に運ぶというものだ。
県営名古屋空港を拠点にしている中日本航空が請け負うということらしい。
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実はこの「極北ラプソディ」の中にもドクタージェット構想という下りが出てくる。
 2013年に発刊されているが、もうその頃からこの構想があったということなのだろう。

そういった現代の医療事情の世界をサラッと小説に織り込んでくるなども海堂小説の見どころなのだ。