さて今回は、メラニーの「心の扉を開けよう」を紹介します。
1971年にリリースされ全米1位に輝いた彼女の最大のヒット曲です。
メラニーはアメリカのシンガーソングライターです。1947年生まれですから、現在72歳です。父親がウクライナ系、母親がイタリア系ということです。どことなく東洋系の雰囲気もありますね。
1969年に開催された伝説のフェス、ウッドストック・フェスティバルに出演したことでも有名です。
原題は「Brand New Key」=直訳すると「新品の鍵」です。
歌詞の内容は、新しいローラースケート靴を手に入れた女の子が、スケート靴の靴底につける金具を止める鍵を男の子に対して2人で一緒に頑張りましょうと気を惹いているんだそうです。何ともほほえましいですね。心の扉を開ける鍵という和訳なんでしょう。
いろんな曲を作り、出されていることと思いますが、正直なところ僕はこの曲しか思い浮かびません。
そのくらいメラニーというシンガーはこの曲の印象が強いと思います。
しかし、そのことが皮肉にも彼女を苦しめることになったようです。
彼女自身が語っているところによれば、「私は一つのカテゴリーにはめ込まれてしまい、それに耐えなくてはならなくなった。(中略)しかし、物をクリエイトする人間には、一つの枠を超えたそれ以上のものが必要だった」。
イメージというものは、見ているものが勝手に作り上げるものです。それは本人が違うと言っても簡単に覆せるものではないのでしょう。
日本でもアイドル出身の歌手が、年齢を重ねるうちにどこかで脱皮を図らなくてはいけなくなります。
そんなときはいろいろと悩み苦しむことになるのでしょう。
大ヒットの影にはそんなエピソードがあったんですね。
僕の主観ですが、メラニーとキャロル・キングが何となく似たような雰囲気を感じます。
ご本人から言わせれば、「そんなことはない」とお叱りを受けるかもしれませんが。
では、1971年のメラニーで「心の扉を開けよう」をお聴きください。