ついにというか、とうとう現実となって表れた。

葬儀の世界にもIT化の波が押し寄せてきたようだ。

ソフトバンク社が提供しすっかりおなじみのロボット「ペッパー君」がお経を読んで導師様の役目を果たすサービスが登場したと話題になっている。
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「ニッセイエコ」という企業が提案した「IT葬儀」だ。

ペッパー導師は要望に応じて様々な宗派のお経が読めるようになっているそうだ。

ニュースの映像を見たが、木魚をたたきながらしっかりとお経を読んでいた。

ロボットなので間違えることもなければ、人間独特のアレンジもないので正統派のお経を読むことができるのだ。
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以前読経をテープに録音したものを流すという寺が紹介されていたのを見たことがある。
導師は人形だったかちょっと記憶にないが、そこからまた1歩進化した格好だ。

今、様々な職業がロボットにとってかわられようとしている。
たびたびこのブログでも書いてきた。AIの進化が目覚ましい伸びを見せている。

お寺さんも安閑とはしていられない世の中になってきたようだ。

ただでさえ、仏教葬儀では戒名料やお布施などあいまいな部分がたくさんあって消費者からはわかりづらい。
宗教離れが進んでいる若い世代からは支持される可能性もある。

ちなみにこのペッパー導師、1泊2日で5万円というプライスだそうだ。実に明瞭で宗旨宗派も柔軟に対応するとなれば、仏教界に風穴を開ける可能性も考えられる。

「ロボットがお経を読むなんてありがたみに欠けるよね」などという声も当然あるだろう。
一応何かあってはいけないということで人間の住職も付き添うらしい。

ペッパー導師はお経を読むだけではなく、お坊さんのありがたいお話し「説法」もしてくれるそうだ。

僕は最近葬儀で説法をされる住職が少ないことに少し違和感を覚えている。
長い説法は必要ないが、少しありがたいお話をされるだけでずいぶんと価値観が違ってくるように思う。

あなたは説法をしない人間の導師さんと説法するペッパー導師、どちらを選ぶ?
などと選択を迫られる日が来るかもしれない。
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