久しぶりに本の話題です。

ここ最近やや読書量が減っていました。

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この小説は今更?というくらい皆さんご存知のことと思います。
あの「半沢直樹」 シリーズの第3弾です。

以前からずっと読みたかったのですが、ようやく読むことができました。

前作で問題を起こした責任を取らされる形で系列の証券会社に出向になった「半沢直樹」 が元いた銀行を相手に活躍します。

IT企業の買収劇を舞台に銀行vs証券会社という構図で物語は進みます。

自らの保身のために企み手柄を立てて出世を目指す銀行員らをあっと言う手段で半沢が逆転します。
しかも決して奇をてらった策ではなく正攻法で立ち向かい、小さな事実から大きな成果に導くと言う 読者が思わずガッツポーズをしたくなるような展開です。

勝負には勝ち、そして銀行の失態をも最小限に防いでいる姿には本当に拍手喝采を贈りたくなります。 

いつもながらこんな素晴らしいストーリーを生み出す池井戸潤氏にも拍手喝采です。

ちなみにタイトルにもなっている「ロスジェネ」 という言葉、「ロストジェネレーション」の略です。
 「ロストジェネレーション」とは失われた年代という意味ですが、バブル崩壊後の1994年から2004年にわたる就職氷河期に世の中に出た若者たちを「ロストジェネレーション」、略してロスジェネ世代と呼ぶそうです。ただ好景気だったというだけで大量採用され、中間管理職として幅をきかせているバブル世代に対して、彼らは反感を抱いているんだそうです。
それに加え、銀行と証券会社との間で出向組と生え抜き組との確執など複雑に絡み合ってこの小説の背景になっています。 

内容が面白すぎて、どんどんページをめくってしまいました。

終盤で半沢が部下の森山にこんな言葉を残しています。
「正しいことが正しいと言えること」
「ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される」
「組織の中ではそんな当たり前のことがなされていないからダメなんだ」


第4弾の「銀翼のイカロス」 も読みたくなって来ました。