久しぶりに伊坂幸太郎さんの本を読みました。
伊坂幸太郎さんは好きな作家の一人です。 
IMG_7872

「死神 」と聞いてイメージするのは、顔がドクロでフードのついた衣装を着て大きな釜のようなものを持っている。という感じではないでしょうか、知らない間にそんなイメージが定着していますよね。
IMG_5489


そうこんな感じです。なぜかはわかりませんが皆さんそのはずです。
試しに「死神」というワードで画像検索して見てください。わかります。
ちなみに上の画像もそのパターンで拾ったものです。


しかし伊坂幸太郎氏が書くと全くそれとは違う姿なのです。


ではどんな姿かというと、見た目では「死神」とは判断がつかないほど人間と変わらないのです。

正確にいうと人間の姿を借りていると言った方がいいかもしれません。

強いて言えば会話をすると、少しおかしなことを言う時があるので「変な人」というレッテルを貼られたりします。このあたりもユニークな発想で伊坂さんらしさが出ていて僕は好きです。
本当に会話の妙といいますか、他の本の時にも何度か書いていますが、会話の面白さは天下一品だと思います。



その人間になりすました「死神」が、死を迎えている人の身近に現れます。

8日間密着して観察し本部に「可」なのか「見送り」なのかを伝える役目なのです。
もちろん「死」が「可」かどうかということですが、ほとんどの場合「可」の報告が行き「死亡」が確定する、というわけです。

つまり調査員という立場なんですね。そして自殺や病死は死神の管轄外ということです。

人間の言葉を完全に理解していないため時々おかしなことを尋ねたりします。面白いです。

また、死神は音楽が大好きなんですね。彼らは音楽のことをあえて「ミュージック」と呼んでいますが。CDショップの試聴コーナーで「ミュージック」を聴くのがいちばんの楽しみです。

この場所には仲間が多く集まるそうなので、もし長い時間試聴する人を見かけたらそれは人の姿を借りた死神かもしれません。

いちばん好きなものは「ミュージック」 ですが、いちばん嫌いなものは「渋滞」なんだそうです。
理由はよくわかりませんが、「あんなもの必要ない、世の中からなくなればいいのに」という下りが出てきますが、確かにその通りだと笑えました。

六編の短編集からなっていますが、どれも面白く、伊坂幸太郎ワールドを堪能できました。
やはり僕にはツボですね。